セックスレスが問題になるワケ

こんにちは。相談件数4万件、
「幸せな恋愛・結婚サポートカウンセラー」、
谷地森久美子です。

「既婚男女の約45%がセックスレス」

日本家族計画協会の調査結果が、
ここ最近、新聞・テレビ等で取りあげられています。

これは、夫婦カウンセリングでも
必ず出てくるテーマのひとつ。

しかし「ふたりの間にセックスがなくても
問題にならないカップル」もいれば、
「離婚問題にまで発展するカップル」まで、
一口にセックスレスと言っても実に様々。

今回は、セックスレスが、どんなきっかけから始まり、
どういう経過をたどるのか、
「心の中で起きる小さな葛藤」の観点から
考えてみたいと思います。

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セックスについて、夫婦が話し合いをする
というのは、結構、難しいもの。

仕事では、納得いくまで議論できるのに、
それが夫婦になると、
なぜか水くさく感じたり、照れが生じたりして、
話し合いが成立しない場合があります。

セックスに限らず、「あらたまって対話する」
という習慣や文化が、日本では、なかなか馴染みにくいのも、
夫婦問題を複雑化させる一因にあるようです。

そのため、例えば、次のような経過をたどります。

《第一段階》最初は、小さな理由から始まる:

「きょうは疲れているから。その気になれない」。

こういうことって、もちろんあります。
先の調査でも「セックスに積極的になれない理由」として

男性は、「仕事で疲れている」・
「(パートナーの)出産後、何となく」、

女性は、「面倒くさい」・「仕事で疲れている」などの
項目が上位にきていました。

最初は、「きょうは、何となく、したくない気分」だったのが、
気が付くと、いつの間にか、それが普通の状態となっていきます。

《第二段階》多くの場合、夫婦の片方が、気になり始める:

「あれ、そういえば、最近ないけど…」

そして、あらためて気になり始めて、
セックスレスについてパートナーと話をすることを
心の中で想像してみる。

「嫌われるんじゃないか」
「否定されるんじゃないか」
「まともに取り合ってくれないんじゃないか」

心の中で悶々とし出し、同時に、相手の様子も
なんとなく伺いはじめます。
この心の状態が始まると、結構辛いですね。

《第三段階》相手に尋ねる前に、一時的な棚上げをする:

第二段階に生じた心の葛藤がさらに強くなり、
パートナーに尋ねる前に
「傷つくのが怖い」と不安や恐怖が先立ちます。

そして、「自分の胸の内に、とりあえずおさめてみる」
ことを選択します。

《第四段階》日々の慌ただしさの中に、気がかりを埋没させる:

もともと、言い出しにくい内容でもあるため、
セックスレスがあたかも無かったかのように
(自分にもウソをついて)、
気になっている気持ちを、生活の中に埋没させていきます。
(これはある意味で、「関係維持のための工夫」とも理解できます)

《第五段階》他の出来事を引き金に、一挙に問題が噴き出す:

一定期間であれば、第四段階で、現状維持も可能。

しかし、特にミドルエイジに該当する30代半ば以降の年代は、
「中年の危機」と呼ばれる、大地震のような
足元を揺るがす出来事に幾つも遭遇するもの。

それをきっかけにして、これまで心の奥に封印していた問題が
一挙に吹き出します。

場合によって、
ここから離婚問題に発展していくこともあるでしょう。

セックスレスが気になっても、それを語ることなく
過ごしていくことは、
自分の大事な気がかりや夫婦関係の変化の兆候を、
「見てみぬふり」「放置」していることにつながります。

セックスレスが日常化している多くのご夫婦は、
上の第二段階から第四段階に、あてはまるでしょう。

この段階から、抜け出すヒントについては、
今後、少しずつ、お伝えしていきたいと思います。

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