こんにちは。臨床心理士として20年、
「幸せな結婚・夫婦・家族カウンセリング」の
谷地森久美子です。
オフィスから歩いて数分の場所に、
癒しのスペースがあります。
地域ねこちゃんたちが住んでいるのです。
東京池袋と言えば、
“立ち並ぶビルと人ごみ”といった
印象があるかと思いますが、
実は色々な顔があるのです。
私もカウンセリングの仕事が終わると、
その場所に立ち寄り、
ねこちゃんたちに癒されています。
こんなふうに、私たちは、
ねこや犬(ペット)、恋人、パートナー、
家族、仲間など、大事な存在や関係性が
生きる支えのひとつとなって、
毎日を送っていけるのだと思います。
一方、なかなかそんな存在がみつからない場合、
「自分自身が味方になればいい」のです!
今回は、自分が自分の最強の味方になるための、
日々の工夫について、考えていきます。
それでは、はじめていきましょう。
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「あぁ、この言葉、今の自分の気持ちにぴったり」
みなさんは、本を読んだり、ドラマや映画を見たり、
誰かの話の中で、このような思いに駆られること、
ありませんか?
それは多くの場合、
現在の状態をなんとかしたくて、
あるいは、途方に暮れていて、
疲れ弱っている心を癒し、
勇気づけてくれる言葉であることが多いでしょう。
その時の、「良かった、勇気が出た」を
ただ、そのままにするのは、どこか
もったいない…。
ささやかな生活の中で、あと一歩
自分を自分の味方にし、
その積み重ねが幸せに繋がる
日々のささやかな工夫を考えていきます。
1) 前提となるマインド。
自分に対して「あきらめない。見捨てない」:
別の表現をすれば、
「どんなときも自分を大事にすること」。
そして自分に向って、それを誓うこと!
例えば、みなさんの多くが耳にしたことがある
結婚式の誓いのフレーズ。
あの内容を、「自分自身への誓いの言葉」に
アレンジしてみると、次のようになります。
私は、自分自身が健やかなる時も、病める時も、
喜びの時も、悲しみの時も、
富める時も、貧しい時も、
自分を愛し、自分を敬い、自分を助け、
生命のある限り、
自分自身とともに在り続けます――。
(意訳:自分が弱っていても、悲しくても、辛くても、
どんなことがあっても、自分は自分のそばにいるよ)
結婚の誓いでは、最後の一文が、
「誓いを守って、パートナーとともに
生きることを約束します」と
いうニュアンスのようですが、
自分への誓いにおいては、
“約束します”よりも、“そう在り続けます”と
意識的に宣言することが肝心。
なぜなら、心理学、
特に精神分析の祖であるフロイトの時代から、
「意識的である(意識的になる)」こと自体が、
心の成長・成熟のために、
最大のツール(武器)だからです。
このマインドを前提/土台として、
自分が自分の最強の味方になる工夫を
さらに考えていきましょう。
2) 受け入れがたい部分に直面することが
自分の味方になる第一歩:
自分が自分の最強の味方になれたら、どんなにいいか。
ところが実際、なかなかそうはいかない。
かけがえのない自分のはずなのに受け入れがたく、
嫌って、持て余して、時には馬鹿にして、
「自分を愛する」なんて気恥ずかしくて、
できない…と思ってしまう。
その一方で、
誰かには愛されたい、
受け入れてもらいたいと願う――。
でも、よ~く考えてください。
「自分なんて嫌い嫌いオーラ」を出しながら、
受け入れて…と求めることは、
誰かにとても甘えたがっている「一部分」が、
自分の中にある、ということです。
ご自身の中に、甘えたくて傷ついている
子どものような(子どものまま成長できないでいる)
一部分があること自体は、悪いことではありません。
(真面目な方ほど、この部分を「ダメだ」と
一方的に責める方がおられるので
念のため、お伝えしておきますね)
むしろ
自分の中に、傷つきやすい/
傷ついている部分があるのだと、と気づくと、
その瞬間から、“自分を知る”ことになります。
この気づきがあると、
うつうつ/もんもん/イライラなどが顔を出した時に、
その気分や状態をひとつのサイン
(傷がうずいているかもしれない兆候のひとつ)
としてとらえ、
逆にそれを活かして、自分自身をいたわる方向に
もっていくことが可能になります。
そして、傷ついている部分にむけて、
今の自分にしっくりくるフレーズを、
語りかけてあげましょう。
それは、
「これまで、こんなことを言ってほしかった」と
しみじみ思う言葉かもしれません。
たとえば、
「これでいいよ」
「今のあなたで充分だよ。大丈夫だよ」
「よくやってるね」
「わたしはここにいるよ。ひとりじゃないよ」など。
みなさんの中には、
自分を自分でねぎらうこと自体が、
慣れないかもしれません。ですが、
あたたかな気持ちをいだきながら
丁寧に優しく、こころのなかで、
語りかけてあげましょう。
これこそ、
自分を自分で受け入れること(自己受容)であり、
同時に、セルフケアにもなる…。
そしてそれが、
「自分の味方になる第一歩」となるのです!
3) 肯定的な毎日の繰り返しが、幸せの土台を創る:
もし、あなたが日常生活の中で、
こころに残る言葉に出会ったら、
できれば忘れないようメモをして、
一日に何度も何度も、
自分に語りかけてみましょう。
その際、効果をすぐに期待しないこと。
焦らず気楽な気持ちで、語り続けること。
自分に丁寧に付き合うこと自体を大事にすること。
もし途中で、最初に選んだ言葉やフレーズが、
なんとなく違うと思ったら、
自分なりにどんどんアレンジ。
同時に、完璧主義に陥らないように。
自分自身を最強の味方にするには、
日々、自分と対話し続ける地道な努力や積み重ねが、
なによりも重要です!
最後に、今回ご紹介した内容を、在り方として体現した、
ある男性の詩をご紹介します。
彼は数年前、生命に関わる病いを患い、
厳しい現実に直面しながら、
出来得る限りの治療法を試み、
現在、見事、回復しました。
その病いの体験は熟成され、何かが目覚め、
彼の創造性が開花し始めました。
ここに紹介する詩も、そのひとつです。
自分に対する優しさ・慈しみが、
内側から自然発生的に湧きあがってきたプロセス
そのものに、私は感動を覚えました。
(以下、ご本人の了承を得て掲載しています。
プライバシー等の関係で、一部、アレンジさせて
いただいています)
『ぼくは、君が夢をかなえるのを助けるよ』
ある日、ふと本屋の棚の前で、
自分の夢を叶えるか、と突然思った。
僕は君が夢を叶えるのを助けるよ。
僕の中の誰かが応えた。
僕は君が夢を叶えるのを助けるよ。
僕の中の別の誰かも応えた。
僕は君が夢を叶えるのを助けるよ。
更にもう一つの声が応えた。
僕たちは君が夢を叶えるのを助けるよ。
僕の中のたくさんの声が応えた。
僕たちは君が夢を叶えるのを助けるよ。
いろんな時代の僕、
たくさんのパラレルワールドの僕が
いっぺんに応えた。
夢を叶えようだなんて思ったのは、
どのぐらいぶりだろうか。
僕の中のたくさんの僕たちが、
僕が夢を叶えるのを助けてくれる。
どんなふうに助けてくれるのか、
全くわからないけれど、
それぞれの僕がそれぞれのやり方で、
僕が夢を叶えるのを助けてくれるだろう。
そして、今の僕も今の僕ができるやり方で、
僕が夢を叶えるのを助けることができる。
小さな夢も大きな夢も叶えていくんだ。
僕たちが、君が夢を叶えるのを助けるよ。
僕たちが、僕が夢を叶えるのを助けるよ。
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