こんにちは。臨床心理士として20年、
「幸せな結婚・夫婦・家族カウンセリング」の
谷地森久美子です。
「幸せになりたい!」
――これは、誰でもが願うことですね。
そして仕事にも、家族にも、人間関係にも、
頑張って生きている。
でも…何かが違う、うまくいかない、
ということって、ありますね。
さて今回は、周りを気づかう“いいひと”が、
「八方ふさがりから抜け出すヒント」を考えていきます。
これは、恋愛や結婚に関心がある方だけではなく、
人生の折り返し地点にいるミドルエイジの方も、
おさえておくべき大事なことです。
それでは、はじめていきましょう。
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みなさんは次にあげることに
心当たり、ありませんか。
*まわりから小さな依頼が自分に集中し、
気がつくと雑用の山積みとなっている
*余裕がないはずなのに、嫌われたくなくて、
自分がしなくてもよいことまで引き受けてしまう
*周囲や相手の顔色を伺って、
言うべきことを、
はっきり言えない、言わない
*不安が先だち、自分より外に意識がむきがち。
本当は「違う」と思っても、みんなや世間に
同調してしまう
*友だちに失礼なことを言われても、
気にしていない素振りをする
*自分の携帯メールの履歴をパートナーに
勝手にチェックされている
*たびたびセックスを求められる。
気持ちがよくなく、うんざり。だけど、
拒否するとパートナーがいじけそうで、
「イヤ」と言えない
これらの方は、恐れや不安を原動力にした
気遣いの達人。
超人的な責任感と実を結ばない努力が長年続き、
いつもどこかで不全感と疲れを抱えています。
「ノー(いいえ)を言えない」心優しきひとの、
生きづらさ。
その大もとには、
「自分の責任で、自分の人生を生きる」という
課題があります。
どんなに人生が荒れ狂っても、
最後まで自分を見捨てない。
爆発しそうな不安や恐怖に襲われても、
その感情の手綱を自分で握り続ける。
そして、
自覚的に「自分の人生を生きる」こと。
(む、むずかしい…!と思いますよね。
今は実現していないけれど、
できればたどり着きたい目標として、
ひとまず、おさえておきましょう。)
ここで、しつこいほど「自分」
という言葉を使っていますね。
それは、
「中年期においてこそ、自覚的な生き方が大切」
「それが実現可能かどうかで人生が大きくかわる」
ということを、みなさんにお伝えしたいからです。
望んで始めたことが苦行に変わったり
これでいいのか、生き方自体に疑問がわき、
途方に暮れる。
この現象は、成熟への通過儀礼として
誰にでも起こる、中年期の特徴のひとつ。
そう、これが「中年の危機」です。
人生におこる様々な危機、
特に人間関係に対して、
次にあげる視点をうまく活用できると、
希望の糸口が見えてくるはずです。
その視点とは、
「こころの境界線」を意識してみること。
境界線をひくことは、
「ここまでは自分の大事な世界(領域、聖域)」、
「ここからは、あなたの世界」と、
自他をはっきり区分できます。
と同時に、適切な境界線によって、個々も両者も
尊重しあうことが可能になるのです。
普段の生活で、境界線を意識することは
ほとんどありません。
それもあって先にあげた*印の状況が、
次々ひき起こされてしまうのです。
通常、国が統治する範囲や個人の土地は、
境界が決まっています。
それがあいまいになったり、
一方的な変更が起きたりすると、
トラブルが起こります。
目には見えないからこそ、私たちも、
しかるべき状況や相手とのあいだに、
適切な境界線をひく。
必要に応じて相手にわかるように示す。
安心、安全、尊敬、信頼など、
共に生きるために必要な要素を
守っていくために。
今回の記事の最後に。
境界線は、次の状況で
ひくことが必要です。
・自分に対する、否定的な行為や態度が
続いているとき
・耐えられない状況が起きたとき
・誰かにふりまわされて、
自分が保てなくなってきたとき
・土足で入ってくるような態度や行為を
されたとき
・ほかのひとの責任を、
自分が対処することになったとき
・相手の反応がこわくて、
自分の気持ちが表現できないとき
・周囲からの否定的な評価に
ダメージを受けているとき
・疲れて限界なのに、
相手の世話をしようとしているとき
・心身に支障をきたしているのに、
仕事を強要されているとき
・不愉快な行為をされたり、
しなければならなくなったとき
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