
こんにちは。相談件数4万件、
「幸せな恋愛・結婚サポートカウンセラー」、
谷地森久美子です。
「モラル・ハラスメント」や「DV」は、
すでに多くの人に知られている、
カップルや夫婦のあいだの問題のひとつ。
しかし、それに陥っている人ほど、
自覚がないのが大きな特徴です。
今回は、子どもの問題行動から浮かび上がる
「家庭内ハラスメント」について考えていきましょう。
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最近のA子さんの悩みの種は、
小学6年生のZ君。
連日学校で、ケンカです。
ここ数週間、ほぼ毎日、
担任の先生から電話連絡が入ります。
きっかけは大抵、
クラスの男の子からの些細なちょっかい。
Z君は、
自分から手を出すことはありません。
しかし一度、スイッチが入ると、
そこまでやる必要はないのに、というところまで、
相手に応戦します。
先日は、ケンカの仲裁に入った教頭先生にまで、
怪我を負わせる事態となりました。
「どうして、ケンカしちゃうのかな」
息子とふたりの夕食時。
A子さんは、Z君の様子を伺いながら、
そっと尋ねてみました。
つい先ほどまで、
お気に入りのアニメの話でご機嫌だったZ君。
急に表情が険しくなり、
言葉を吐き捨てるように、こう答えました。
Z君「あいつに目つきが似ているんだ!
だから、滅茶苦茶にしたくなったんだよ!!!」
“あいつ”とは、夫Bさんのこと。
Bさんは、お互い恋人同士だった時から、感情の起伏が激しく、
暴言は当たり前の人でした。
「そんな人、結婚するの、まずいよ」
親しい友人から、
何度も忠告を受けました。
しかし当時は、
その忠告が耳に入りませんでした。
なぜなら、A子さんの実家も、父親の脅しや暴言が日常で、
違和感がなかったからです。
あいつに似ていたから、やった。
Zの、夫を滅茶苦茶にしたいという衝動。
息子の険しい顔を見て、A子さんは、目が覚めました。
「このままではいけないーー。
その危険を心底、感じました。
Zは近い将来、夫に対して何か危険なことをしでかす…、
そんな怖さがあります。」
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ハラスメントのシャワーを浴びながら生活している人は、
「危機を察知するこころのセンサー」がいつの間に、
停止する傾向にあります。
それはなぜでしょうか。
暴言、支配、無言の圧力などは、空気と一緒。
そう捉えていかない限り、毎日を生き残ることはできません。
A子さんは、回想します。
「母も、“子どものため”と言って、
暴力的な父との生活を耐えていました。
当時の私も、母のためだと思って、
わがままも言わず、我慢してきました。
でも今度は、私が自分の母のコピーになっています。
そしてZも。」
自分の生きてきた家庭環境が、
暴力に満ちた環境だったと気づいたら…。
それは、あまりに、
「辛い現実との直面」です。
この事実によって、ご本人は、
これまでの人生を変えざるを得ない、
身を引き裂かれるほどの苦痛を伴います。
しかし、その苦痛ゆえに、通常、
親たちは、「子どもが問題」と、
子どもを変えようとしがちです。
しかし大切なことは、
子どもの目にうつる夫婦関係を変えること。
ひたすらハラスメントに耐えているだけでは、
ますます子どもは危険な方向に向かっていきます。
最後にもうひとつ。
危険なほどに、息子Zが怒るのは、実は、
耐え難いほどに、A子さん自身が暴力に傷ついていること。
夫だけでなく、自分の親から受けた暴力に。
もう、ひとりで、なんとかしないでください。
警察や、女性センターや、弁護士や、医師や、カウンセラーなど、
複数の専門家や専門機関のサポートを活用しながら、
自分の回復を優先しましょう。
そのこと自体が、
子どもの将来にも必ず道をつくります。

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