浮気発覚!パートナーを「非難する悪循環」から抜け出して、関係修復にむけるコツ(前編)

こんにちは。相談件数4万件、
「幸せな恋愛・結婚カウンセリング」、
臨床心理士の谷地森久美子です。

今回のテーマは「関係修復」のコツについて。

パートナーの浮気や不倫に気付いた時、
なぜ?!と気持ちが動揺し、相手をせめてしまいますね。
この状況で再び相手を信頼できるようになるには、
かなりのエネルギーが必要です。

今回は、そのコツを考えていきます。

それでは、はじめていきましょう。

***************
  
パートナーの浮気・不倫が発覚した時、
  
当然ですが、許せない気持ちになりますね。
  
この時、ふたりのあいだに、
次のような組み合わせ「役(割)」が、生まれます。
   
それは、
     
「(不貞を働いたという意味で)加害者」役と、
「(相手によって傷つけられたという意味で)被害者」役。
  
ところが、
「自分は、とても傷ついた!
こんなことをしでかした相手が悪い!」と、
  
被害者側に立っていた方が、相手を非難し始めると、
役割は、反転。つまり、
  
怒りというパワーを使った途端、
その人は、「加害者」に入れ替わり、
  
そして怒りを向けられた側は、当然「被害者」役にかわる。
  
この役割のチェンジに、多くの場合、
怒りのパワーを使っている側は気付きません。
  
相手に対し、怒って攻撃しながらも、
自分こそ、被害者だと思っています。

一方、不倫をした側も、
自分が行った行為は、悪いことだと認識しつつ、
  
相手から非難を浴び続ければ、
次第に、気持ちは萎えていきますね。
    
そして、不愉快な状況から自分を癒したくなって 
    
また浮気や不倫に走る――という悪循環が生まれます。
  
こうなると、ふたりは「加害者―被害者」に見事にハマり、
  
この役割のあいだを、互いに
行ったり来たりすることになるのです。
   
(プロセス指向心理学では、こういった役割を、
関係という場にある「ロール」と呼びます)
  
   
もちろんパートナーから、不貞行為をされることは、
ショックだし、悲しいです。
     
相手を非難したくなるのも自然なことです。
    
しかし、この状況にハマったまま、
  
傷ついたことに執着して
「どうしてくれるんだ」と怒りをぶつけ続けていると、
       
関係の修復どころか、逆に
   
「あなたが望む幸せ」は、
どんどん遠くにいってしまいます。
           
    
このような時、私たちは、どうやって、
パートナーと、つながりなおせるのでしょうか。
   
今回と次回にわたって、
大事なひととの関係修復と
「信頼」の取り戻し方について、話題にしたいと思います。
  
ポイントは次の2つ。
   
① 「正しさ」を求めても、和解や繋がりは生まれない
② 傷ついたのは自分自身。
パートナーへの信頼は、自分を信じることから始めよう
     
   
今回は前編として、①について考えていきましょう。
  
   
① 「正しさ」を求めても、和解や繋がりは生まれない:
        
私たちは、学校教育や親の影響で、
「正しくあること」「間違わないこと」を意識して
生きている部分があるものです。 
  
これは社会生活では、必要なことかもしれません。
  
しかし、カップル・夫婦において、それを強調しすぎると、
窮屈に感じたり、潤いに欠けた関係性に陥ってしまう
ことがあります。
  
不倫や浮気など、
善悪の二分類でいえば「悪」に入る事柄が起きた時は、
特に、そうです。
  
  
「どうしてくれるのよ!!」
「あなたが悪いんだから、なんとかしてよ!!!」
   
   
パートナーの非を責めていると、ふたりの関係に、 
  
正しい人と間違った人、良い・悪いの要素が入り込みますね。
    
加えて本来、対等な立ち位置にいるはずのふたりのあいだに、
勝ち負けの要素も、入ってきますね。
  
そうすると、
  
先にあげた「加害者―被害者」ロールが
ふたりのあいだに、登場することになるのです。
  
  
    
さて、みなさんは、イソップ寓話『北風と太陽』を
ご存じでしょうか。
         
「北風と太陽」の、
    
「北風」は、物事やひとを、
力ずくで、あるいは、厳しい態度で動かそうとするあり方、
   
「太陽」は、物事やひとに対して、
あたたかく優しい言葉や態度で関わっていくあり方、の
  
たとえとして用いられています。(『ウィキペディア』より)
     
    
不倫をした相手が悪いと非難する態度は、北風的アプローチ。
  
先の「加害者―被害者」ロールから、ぬけられません。
     
そして北風に吹き飛ばされないよう、
旅人が上着をつかんで離さなかったように、
   
あなたが、相手の非を泣き叫んで訴えても、
パートナーは、頑なに心を閉ざすだけかもしれません。
  
(これらの過程の中で、セックスレスも生じます)
  
   
一見、外からは北風的アプローチに見えても、
その根っこのところには、実は、
  
「もう一度、あなたとつながりたい」、
という、シンプルな願いがあるはず。
  
ところが、怒りの発散になってしまうと、
   
パートナーに本当に届けたい部分が、残念ながら
届くにいたりません。むしろ、
  
ふたりの溝を深めてしまうことになります。
  
  
でも、不倫や浮気をしたほうが当然、
悪いじゃないか!という声も聞こえてきそうですね。
     
もちろん、そうです。
  
ただ…、愛情問題――特に、ご主人の浮気や不倫問題の
相談を受けていると、
  
「あなたが悪い!だから、ちゃんと誠意を示して!!」
といった要求をしても、
  
うまくいくとは限らない現実を、私は、たくさん見てきました。
   
    
この悪循環から抜けるには、発想の転換として、
太陽のアプローチに切り替えてみることです。
  
あなた自身、今いる立ち位置、具体的には、
  
あなたとパートナーを取り囲む、
戦場と化した状況から、
  
文字通り、日中に見える太陽の位置まで
高く、高く自分を、移動させるイメージをもってみましょう。
  
その位置は、あなたの現状を、
全体的に、俯瞰して眺められる位置です。
  
  
そこから、今、起こっている状況を
あらためて眺めなおしてみる――。
  
  
傷つき、泣き叫んでいたあなた、
不倫をしたパートナー、
そして、ふたりのこれまでの関係性、
  
それぞれが、どうなっているかを眺めてみる――。
   
   
白黒つけずに、ただ、とどまって眺めてみる――。
 
これは、傷つけられたことに執着している
自分自身から距離を取る、心理学的方法のひとつです。
  
すでに、心が傷つきすぎて混乱している方は、
ひとりで抱え込まず、
  
カップル・夫婦カウンセリングに詳しい
心の専門家に、気持ちを聞いてもらうことから
始めましょう。  
  
そして、あらためて
現状から距離を取る作業を行ってみてください。
  
なぜなら、不倫発覚後に、パートナーに
誠意を示してもらう意味で、
  
例えば、
携帯のロックを解除して、すべてオープンにしてもらう、
連絡はマメにとってもらう、
一日の行動をあらかじめ、こちらに伝えてもらう、などなど、
  
様々な信頼獲得のノウハウも、
  
戦闘態勢の、「加害者―被害者」から抜け出して
同じ地平に互いが立ってはじめて、
  
ようやく活かせる状態になるからです。
            (次号、後編に続きます)

公認心理師・臨床心理士 谷地森久美子の公式メルマガ
公認心理師・臨床心理士 -谷地森久美子の公式メルマガ-
お名前(姓)
メールアドレス(必須)
Powered by メール配信システム オレンジメール

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


公認心理師・臨床心理士
谷地森久美子の公式メルマガ
お名前(姓)
メールアドレス(必須)
Powered by
メール配信システム オレンジメール

ページ上部へ戻る