私が心底苦しい時、あなたは支えになってくれますか? 怒りの根源を知り関係修復を目指すコツ(後編)

こんにちは。相談件数4万件、
「幸せな恋愛・結婚カウンセリング」、
臨床心理士の谷地森久美子です。

今回は、パートナーに傷つけられて、
それでも「関係修復」を目指そうとする時に大事なこと。

後編として、そのコツを考えていきます。

それでは、はじめていきましょう。

***************
     
     
「どうして、ちゃんと謝ってくれないの?」
     
「何度も言っているのに、
もう○○なんて、信頼できない、尊敬できない!」
     
「私を傷つけた、□□が悪いのよ!」
     
      
わかっているけど、やめられない…、
感情が、とめどなくあふれてきて、
      
パートナーを非難し続けてしまう。
      
      
こうなってしまうのは、相手のせい…?
相手がいつまでたっても、変わらないから…?
      
…そう、あなたが考えている通りなのかもしれない。

     
でも、相手の欠点や落ち度をとがめ続けることが、
      
怒りというハンマーで、大事な関係を
ガンガン殴り痛めつけることになる…としたら、
      
あなたは、そういうつもり、ないですよね。
      
心の奥にある、あなたの本当の気持ちは、
       
ただ、パートナーに「受けとめてほしい」、
「わかってほしい」、なのですよね。
     
      
そのためにも、今回は、
      
どうして、身近なパートナーに対して、
感情的に爆発してしまうのか――、
       
そして、関係が危うくなった時の修復のコツ、を
考えていきましょう!
      
      
ポイントは、この感情的な爆発は、
      
「大事なひととのつながりを取り戻す、
 心の悲鳴」だということ。
        
さらに詳しく説明していきますね。
      
     
     
わかっているのに、やめられない、とまらない、
といった感情的爆発は、実は、
      
すでに生まれた時に
脳にプログラミングされている性質が
由来しているのです!
     
     
「やるか・やられるか」「生きるか・死ぬか」、
あるいは、
       
言葉が使えない乳児が、夜中に、
激しく泣き叫んでいるのと同じく、
     
大事なひととのつながりを感じたい時に反応する、
ひとがもともと持っている性質なのです。
     
      
そして、大人の場合、普段は心の奥にしまって、
なるべく自分でも見ないようにしている「弱さ」や
      
いつまでもカサブタができない
「生傷のような心の傷」などが
       
怒りの引き金になります。
      
と同時に、
      
ふたりのあいだに生じた「大きな出来事」も場合によって、
     
「関係のトラウマ」となり、上にあげたもの以上の、
激しい怒りや心の叫びの、引き金となります。
       
       
みなさんは、
「ふたりのあいだに生じた大きな出来事」ときいて、
どんなことをイメージするでしょうか。
      
浮気や不倫でしょうか。
     
もちろん、それも、そうですが、
      
人生において、個人の器を超えるような出来事は、
どれも該当します。
      
例えば女性の場合、
出産や、産後育児中の不安定な時期も該当しますし、
流産なども、そうです。
     
それから性別関係なく、
大きな自然災害・事故に遭遇することや、
ガンに代表される生命に関わる病気を患うことなどもそうです。
     
      
この時、大人であっても、心の中は
一度、恐怖や不安の火がつくと、
      
まさに乳児の、ぎゃあぎゃあ泣き叫ぶ、
あの時の感覚に陥ります。
     
つまり、せっぱつまって、余裕のかけらもありません。
      
もう、それこそ、生きるか死ぬかです。
      
だから、身近なパートナーに
「助けて!」「支えて!」「守って!!!」となるのです。
      
この必死のSOSを発している時、
私たちは、こんな状況だからこそ、
                
相手は全面的に自分を守ってくれるはず――と、
期待してしまいます。
               
そしてもっと言えば、危機状況だからこそ、
        
間髪入れずに、自分が望むような、かゆいところに手が届く、
きめ細やかな対応をしてくれるのが当然、と甘えたくなります。
       
(ほとんどの場合、甘えていることに、ご本人は無自覚です)
        
先に、「関係のトラウマ」と言いましたが、
        
これらの「大きな出来事」が、
イコール「関係のトラウマ」ではありません。
               
例えば、夫が妻の妊娠中に不貞を働き、
そのことが、出産後に発覚したとしましょう。
        
「ふたりの、待望の子どもが生まれる、
 この状況で、何…?!」と、
     
女性側は気が動転しますね。
そして夫をののしりたくもなります。
              
しかしその際、夫が、すぐさま心の底から謝り、
120%妻の気持ちをくみ、その後、誠意を尽くしていけば、
       
ふたりの関係に出来事以上の傷は残らず、
関係修復もスムースに進んでいくこともあるのです。
      
ところが、
         
「俺の、寂しさは、わかってくれないのか!
自分のことばかり、考えやがって!!!」
      
「最近のお前ときたら、ねころんでばかり。
 女を捨てたのか!?」 などなど、
              
夫のほうが開き直って妻の非を責めてしまうと、
       
ただでさえ不安定極まりない時に、不貞という裏切り、
それに追い打ちをかけるような不誠実な態度などが重なれば、
       
これは、大きなダメージとなりますね。
          
これこそが、「関係のトラウマ」なのです!
         
         
弱っている状況で、自分の味方だと信じていたパートナーから、
否定されるほど、ひどいトラウマはないのです。
        
        
        
さて、ここで、
       
もしあなたが、パートナーと、それでも一緒に
もう一度、やり直したい気持ちがあるのなら、
       
関係修復のために、どのようなことが必要でしょうか。
     
    
大事なことは、ひとつ。
      
あなたが、「相手を許すと決める」こと――。
       
こじれた状況であっても、客観的に相手が悪くても、
それでも、まず、そう決意することです。
       
       
難しいですよね。頭では理解できても、
感情がついていきません。
        
先にあげた、生きるか死ぬかのようなギリギリの状況に
あなたは陥っているのですから。
        
仮に、相手を許すことなど、ぜ~ったいできない!!!と、
激しい怒りが沸き続けている方は、
       
夫婦関係に詳しい心の専門家に、まずは相談して、
気持ちを、充分、受け取ってもらいましょう。
      
関係の修復を目指す意味でも、
    
あなたの心の傷つきを癒していくことが
何よりも優先されるべきことです。
     
     
     
さて関係修復や回復には、先の「相手を許す」に加え、
     
      
パートナーと話し合い、
互いに「再び、信じようと決める」こと、
     
「新しい信頼関係を築いていく」を
「ふたりの目標にする」こと――が必要です。
      
     
「許す」の次に、今度は、「再び、信じる」とは…。
     
      
いまだ、疑いが晴れないパートナーや、ふたりの今後を
「信じる、信頼する」には、前提として、土台が必要です。
        
     
その土台とは、さて、なんでしょうか。
      
        
「自分への信頼」です。
     
(そのような不安定な未来に挑もうとしている
自分自身を信頼できるか、ということです)
     
     
これに関しては、あらためて別の機会に考えたいと思います。

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