愛する関係を長続きさせる条件 ~愛も幸せも自己実現も、手に入れるカギ~

こんにちは。臨床心理士として20年、
「幸せな結婚・夫婦・家族カウンセリング」の谷地森久美子です。

恋愛において、気持ちが冷めるたびに、
次々相手をかえていくひとがいます。

結婚後、相手にうんざりして、
密かに不倫するひともいます。

刹那的な関係も、
恋の醍醐味…かもしれません。

ですがそれでは、こころは満たされず、
時に、自分のたましいを傷つけてしまう場合もあるのです!

今回は、豊かな愛情関係が成り立つためには、
何が必要かを考えていきます。

そのカギのひとつは、
「良質な心の器づくり」です。

これは、愛情関係にとどまらず、
私たちの幸せや自己実現にも必須の要素です! 

それでは、はじめていきましょう。

******************************
       
「人間の器」、「器を広げる」――という表現がありますよね。
       
心理学においては、私たちの心の成長・成熟のために、
「良質な心の器づくり」が必須だと考えられています。
        
そして、パートナーと、愛し愛される関係性を築くには、
        
*個人レベルで、「良質な心の器を持っている」こと
*その上で、ふたりで愛する技術を身に着け、
切磋琢磨し続けること(意図して愛を育み続けること)
        
以上の2点が重要です!
               
今回は、1点目の「心の器づくり」に関して考えていきますね。
         
       
良質な心の器を持つこと、そして
いかにして、良質な心の器を“創っていく”か――。
      
これはパートナーとの持続可能な関係性に
大きく影響するだけではなく、
           
幸福な人生、自己実現の土台となります。
        
(心理学では、心の器を「自我」と呼びます。
良質な心の器は、自己肯定感・自尊心を育み生み出す、
「内的な子宮」のようなものなのです)
         
心の器に関連することとして、
「自分がない」という辛さについて、まず考えてみましょう。
         
自分の中身が無かったり、希薄な感じがしたりする場合、それは、
中味(感情・感覚等)が、無いわけではありません。
            
ただ、心の中の様々な感情や考えをおさめ、はぐくむための
「こころの器」が、成長途上なのです。
          
特に、安心感・安全感が充分でない環境の中で育ったり、
親との関係が複雑で生きづらさを抱えたりしている場合は
大人になっても、
        
器自体が、しっかりしたものにならなかったり、
部分的に傷や穴、あるいは欠けたりしているために、
中味がばらばらに拡散して、それで「無い」かのように
感じてしまうのです。
           
さて、「良質な心の器」とは、どんなものでしょうか。
大まかには、次の7つの状態・在り方です。
          
             
1、人生の感動、歓び、悲しみなど、
  喜怒哀楽の感情が感じられること
             
2、感情だけでなく、からだの感覚も感じられること
         
3、「今、自分は、〇〇の言葉に傷ついたかもしれない」と
  自分の体験に気づき、客観的にとらえられること
             
4、何らかの想定外の出来事が引き金で動揺が生じた時、
  わーっとパニックになるのではなく、じっくりと
  自分の中で抱えて体験を意味あるものにしていけること
          
5、自分の考えを、心の器の中におさめることによって、
  さらに深めていけること              
             
6、上記の気づきや体験をそれに合う適切な言葉や表現を用いて、
  自分以外の相手と、分かち合うことができること
          
7、感情や考えをひとりで熟成させることもできるし、
  必要に応じて大事な相手と分かちあうことができる、
  こころの柔軟性があること
        
この7つがそろうと、
「自分のことを適度に認めることができる」、
「日々の生活に、ささやかな歓びをみいだせる」、
        
そしてこれ自体が、パートナーと
「愛し・愛し合うためのスキル」として活かせます。
            
そして、実際に「こころの器」を創っていくためには、
次のような工夫が考えられます。
           
これらは、あらためて自分を大事にする日々の工夫でもあります。
         
こころが宿る身体、生活空間、環境などへの工夫を
日々、意図して実行し続ける。
            
その積み重ねひとつひとつが、
「こころの器」を創る大事な栄養素となるのです。
              
                   
1)からだを整える:
           
良質な心の器を創るうえで、忘れてはいけないのは「身体」。
        
身体を鍛えるというよりは、調子を整えることをメインにしましょう。
          
並行して食事、運動も、いくつか試しながら、
自分に合うものを取り入れることが大切です。
           
からだは、私たちの心をおさめる聖なる器なのです!
        
2)生活を整える:
        
先の身体に連動して「生活」も心の器づくりの土台になります。
           
今、住んでいる住空間や環境は安らげるか、心地よいか。
         
生活のリズムや生活習慣も、からだに影響を与える
要素のひとつです。
         
そして、これらを見直し工夫することは、
人生を整えることにもつながるのです。
           
3)身体の感覚にあらためて価値をおく、大事にする:
         
私たちは、大人になるにつれ、数値や形になっているもの、
科学的・合理的なものに価値を置く傾向が見についていきます。
            
ここであらためて、自分のからだを含めた感覚に
意識を向けてみましょう。
                    
これは病気の予防にも自分を労わる習慣にもつながります。
         
例えば、
「最近、からだの一部に、かすかな違和感がある」、
「きょうはスムースに足が前に出る」、
「季節の変わり目の風のあたたかさなどに変化を感じる」など。
          
これは、心の器つくりの次の段階の、
「こころの内面創り」に大事な要素となります。
             
4)安心できる複数の人間関係、コミュニティーを持つ:
            
先の1から3は、個人の中での工夫です。
       
しかし、個人でいくら力を尽くしても限界があります。
           
働くひとは、職場という人間関係がありますが、
その多くは、異動、退職、定年などによって縁が離れます。
           
仕事を越えた、夢や目標を共有するような
人間関係を持てると、私たちに力を与えてくれます。
          
しかし、そこまで大それたことでなくてもよいのです。
         
場に身を置くととても心が癒される身近な小人数グループ。
       
そのメンバー間で、関係を育む意識が持てると、
個人も、そしてグループの器も創ることに繋がります。
          
5)「愛すること」について、理解や体験を深める:
                 
本やSNS等から、愛について知的に学ぶのは、
理解を深める第一歩となります。
          
しかし大きな失恋や離婚を経験された方は、
相手との関わりを思い出し振り返ること自体、
とても辛い作業ですね。
         
いくらたくさんの本を読んでも、どう生かしていけばよいか、
どうやったら自分は変わっていけるか、わからないものです。
          
そのような時には、このテーマに強い専門家の力を借りて、
整理していくことをお勧めします。
          
同じパターンにハマらないためにも、
次に進む準備として重要です。
             
                  
以上のような工夫を取り入れながら、
「心の器づくり」を試みていけると、
      
どんな時でも自分のことを受け入れられる
自己肯定感が持てるようになります。
            
そして「良質な心の器」が持てると、
自然とパートナーとも、良い関係になっていきます。
       
例え、パートナーが不機嫌になっていても、
         
「きょうは、機嫌が悪い日なのかな」と適度な距離を持って、
(顔色をうかがうのではなく)
見守ることができるようになります。
         
つまり、相手がどうであれ、自分は幸せ。
そして、相手と共にさらに幸せにもなれる。
      
つまり、心の器を持っていると、ひととのあいだ、
パートナーとのあいだに「良質な境界線がひける」のです。
      
境界線があれば、肯定的な意味で、周囲から脅かされない。
     
自分は自分。自分は幸せなのです。
       
これが、冒頭でご紹介した、
豊かな愛情関係が成り立つためのカギのひとつ、
「良質な心の器づくり」です。
         
そして、さらにもうひとつのカギについては、
次回に述べたいと思います。

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