夫婦の絆を深める「良い三角関係」と溝が深まる「悪い三角関係」

こんにちは。相談件数4万件、
「幸せな恋愛・結婚サポートカウンセラー」、
谷地森久美子です。

夫婦やカップルが出会ってしばらくは、
お互いが唯一の人と感じられる時期があるものです。

それが5年、10年たつと、パートナーにかわって、
息子や娘が恋人になっている方、いらっしゃいますよね。

今回は、そんなビミョウな関係について。

これを家族療法では
「子どもを巡る家族の中の三角関係」と考えます。

現在、お子さんがいる方だけでなく、
かつて子どもだった皆さんにも
心当たりがあるかもしれない話です。

さて、はじめていきましょう。

*****************
     

   
例えば、結婚が決まったカップルがいたとします。
  
すると結婚式のあたりから、周囲からは
「次は、子どもね」のラブコール。
  
しばらくすると、親のほうから
「元気のうちに孫の顔がみたい」攻撃。
   
まだ生まれてもいないのに、ふたりの生活に、
当然のように入ってくる第三者、

それが「子ども」です。
   
そして、実際にいる・いないに関わらず、
子どもという存在を含めて、
夫婦は、「三角関係」を作っていきます。
  

家族心理学や家族療法においては、
   
夫婦関係に、どのような三角関係があるのか――、
   
その三角関係が、ふたりの生活に
どのような影響を及ぼしているのか――、

そのことに気づいていくこと。
   
それが夫婦の関係を円滑にするコツであり、
リスクマネージメントのひとつである、
と考えます!
    
   
夫婦の三角関係は、「子ども」以外に、
色々なバリエーションがありますが、
   
今回は、子どもの存在が契機となった
三角関係を考えていきます。
  
 
夫婦における三角関係は、ふたりの関係が
「穏やかな時」と「緊張状態にある時」とで、
次のようなパターンが繰り返される特徴があります。
  
1)夫婦関係が穏やかな時のパターン:
    
夫婦がうまくいっている時は、
夫と妻が、横並びの協力関係となります。
  
「子どもを育てる・成長を見守る」といった
共同作業を通して、

ふたりは、同じ未来や方向性を
目指すことになります。
  
ふたりは、この時、子どもの存在を通して、  
「夫婦の自覚」や「絆」を深める、
様々な体験を重ねます。
  
そして、ふたりの間にも、
子どもを含めた三者の間にも
愛情が巡り続けます。
  
  
2)夫婦関係に、緊張状態が
生じている時のパターン:
    
仮に子どもを望んでいたカップルであっても、
  
結婚したら、すぐに「できる」わけではありません。
  
子作り・不妊治療などを巡って、ふたりの関係が
ぎくしゃくすることもあります。
  
そして待望の子どもが生まれても、
  
夫婦は、子育ての厳しい現実に
さらされていくこととなります。
  
上のように、様々な緊張状態が生じると
    
「夫と妻」を三角形の一辺として
その正面に「子ども」がいるような
三角関係に加え、
  
あらたな三角関係が出来ていくのです!
  
これが、緊張状態における、
あらたな三角関係化のパターンです。
  
  
「あらたな三角関係化」は、
例えば、こんなふうに…。
  
子どもに関することで
パートナーとのあいだに、
何らかの緊張が生じる。
  
その緊張や不安を和らげる目的で、
    
一方が、パートナーと距離を取り始めます。
  
これまでの夫婦のバランスが変わるため、
    
ここで半ば無意識的に、
「第三の存在を引き寄せる」のです。
  
そのひとつが「仕事」。
  
仮に夫が「仕事(が忙しくなった)」と、
仕事という第三のものを入れて、
  
パートナーと距離を取ります。
これが、新しい三角関係化です。
  
このような「三角関係化」は、
不安定になった関係を、一時的に
穏やかにする作用があります。
  
しかし、仕事への傾倒が一時ではなく、
連日の深夜残業や頻繁な飲み会などが
続いていくと、
  
顔を合わせる機会・会話は減り、
   
あわせて意思の疎通もうまくいかなくなる。
  
家族療法では、この仕事への傾倒の現象を
    
夫が「仕事に浮気した」ととらえます。
  
   
夫が仕事のほうに近づき、
夫婦のあいだに少し距離ができると、
   
ふたりは、緊張状態から
一時的に逃れることができますが、
  
関係に変化がおきたため、次の段階で、
妻のほうが、不安定になっていきます。
   
ここから、妻はどうなるか…、
みなさんは、どんなことを想像しますか。
    
  
それは、
   
子どもへの「過干渉」や「母子密着」。
    
これがパターンのひとつです。
  

もともとは、「夫婦の関係性の問題」なのに、
  
直視せず、子どもを使って
解消しようと試みるわけです。
  
「あなたは、お父さんのようになってはダメよ」
と遠回しのグチをささやきながら。
  
 
この言動の背後にある複雑な思いは、
家庭内に浮遊し、
  
心優しい子どもほど、しっかり受け取ってしまう。
  
そして大好きなお母さんの期待に応えようと奮起します。
  
この経過で、家庭内に
  
「教育熱心な母親」と「(できの)良い子」、
   
あるいは、「寂しい母親」と「恋人」
   
といった構図が見事なまでに成立するのです。
  
つまり、小さい息子が母親の恋人になるのが
この局面なのです!
  

彼らは、自分の意思とは関係なく、
   
夫婦関係の問題から生じた
家庭内の見えない(引)力によって、
   
「緊張緩和の役」を担わされる――。
  
   
     
さて、みなさんの子ども時代や、
    
親との現在の関係性で、
   
心当たりはありませんか。
  

今回は「子ども」や「仕事」が関わる三角関係を
ご紹介しましたが、
  
最近の「実家依存妻」、
  
「結婚したのに、妻の不満を
母親にグチるマザコン夫」、
  
そして不倫や浮気なども、
  
背景に三角関係が潜んいるのです。

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