一生懸命、自分を偽って「イイ人」やるの、そろそろ、やめませんか? 偽りの自分から本当の自分へ

こんにちは。臨床心理士として20年、
「幸せな結婚・夫婦・家族カウンセリング」の谷地森久美子です。

さて今回は、「偽り/仮の人生から、
あらためて自分の人生を生きるヒント」について考えてきます。

これは、私たち大人の生きづらさの背景で、
いつも見えかくれしている「主体性」や
「セルフ・ラブ」とも重なるテーマです。
それでは、はじめていきましょう。

**********************************
       
一生懸命頑張っているのに、なぜか
こころが満たされない。
   
いつも、どこかで、誰かと比較している、
自信がない自分がいる。
   
甘やかしてはダメ。  
自分は、欠けている存在なのだから
もっともっと努力が必要。
   
 
そんなふうに、気が付くと、いつも自分に
厳しくしているあなたへ。
   
その考え方は、どこで手に入れたのでしょうか。
   
頑張ることは、価値あることに受け取られますが、
   
努力が苦行になりすぎて、
  
自分で自分の人生に疲れてしまって、
   
この先、どうしていいか、わからなくなってしまったら、
   
生き方の起動修正をしてみませんか。
   
「いまさら、遅い」と、突っ込みをいれなくても大丈夫。
   
ミドルエイジ以降のあなたなら、自分を変える「力」は、
すでに、あなたの中にあるのです。 
      
(この力の使い方のヒントは、この記事の最後に
書いています)
    
     
さて、あなたは、
自分の人生を生きているでしょうか。
    
    
「ええっ?! あらためてそんなことを言われると、
どうかな…、どうだろう…」と、
   
こころの中がざわざわしている方も
おられるかもしれません。
   
   
上の問いは、「自分の人生を生きていないとダメ」とか、
「そうするべき」ということではありません。
    
   
こころが、ざわざわしてしまった方ほど、
これまでの過程で、自分のことは脇におき、
         
親や家族、周囲の期待に応えて、「いい子の人生」を
歩んできた可能性があります。
   
そういう方ほど、
「いやいや、私はいい子ではなかったです」と
謙遜します。
   
   
でも、どれほど周囲の期待に応えるべく頑張ってきたかは、
現在の生きづらさで明らかなのです。
   
あなたが今、辛いのは、本来の自分の欲求をおさえて
「仮の自分」「仮の人生」を生きてきたからなのです。
   
     
今回は、そんなあなたのために、
「偽り/仮の自分」とは、どういう状態なのか、
     
そして、そこから今一歩、変わっていくための
ヒントをご紹介します。
☆     ☆     ☆
     
「偽り/仮の自分」とは?
    
   
「偽りの自分」を取り上げる前に、
まずは「本当の自分」について考えていきましょう。
     
「本当の自分を生きている」とは、
どんな状態・在り方なのでしょうか。
  
それは、
   
わくわくしたり、ときめいたり、
こころやからだが躍動する時間や
人生を生きていること――、
   
自分の中にある感情や欲求にちゃんと目をむけ、
それに応じて動いたり、
周囲に働きかけたりができること――、
   
内側に、本来の自分らしさが感じられること――、
    
そして何よりも、「これでいい」と
自分自身に(ある程度の)自信や信頼感を
持つことができること(自己肯定感があること)。
  
    
「偽りの自分」・「本当の自分」というのは、
    
英国の小児科医であり、同時に
世界的に著名な精神分析家として活躍した
ウィニコットが、
     
子どもとの精神分析の中で明らかにした概念です。
   
「偽り」というと、否定的な印象が先立ちますが、
場面や状況によって柔軟に使い分ければ、
     
「偽りの自己」は
社会に適応するための態度として
活かすことができます。
   
しかし、その一方で、
     
親や学校の先生など周囲の大人から強いられた
「こうすべき」価値観に従って
子ども時代を送ってきた方は、
   
いつも、自分の欲求や感情を
尊重できない状況に置かれていたため、
   
小さい時は、確かに在ったはずの
「自分は何が好きなのか、いま何がしたいのか」が、
成長していく過程で遠のき、
わからなくなっていきます。
   
その結果として出来上がった自分を、
「偽り/仮の自分」と呼びます。
   
    
さて、ここから、
ご自身に「偽り/仮の自分」の傾向がどの程度あるか、
以下のことを参考に、振り返ってみましょう。
   
① 自分が他人にとって必要になったり、
ありがたい存在と思われたりすることを、
無意識のうちに望んでいる:
        
(→これは自己肯定感の無さを
他人を介して満たす補償行為です。
カウンセラーもそうですが、師/士業、援助職の方は
自覚しておいてほしいことです。自警を込めて…。
加えて、不安定で常にサポートが必要な異性ほど
魅力を感じ、周りがあきれるほど関わり続ける、
世話好きボランティア男子や女子の方も同様です)
  
② 不安定で辛さを伴う人間関係に、なぜかご縁があり、
抜けられない:
         
(→これは、もともと馴染みがある関係性であり、
状況だから、普通になっているです。
加えて、本当の自分が希薄なため、
その関係をあらかじめ避けたり、
ハマってしまった場合、抜け出す力が弱いのです)
   
③ 実際、大変な状況を、
「大したことがない」と否認する:
          
(→人生に大きく影響する状況であればあるほど、
客観的に事実を整理・検討していく力が
弱くなる方がおられます。
それは「仮の自分」のため、自分のことなのに
他人ごとになり、主体的に動けないためです)
   
④ 心身に生じる違和感を、
兆候・症状として受けとめない:
        
(→幼少期の影響で、自分の中に起きていることを大事に
できず、感覚や感情が麻痺しています。
そのため心身に何か起きても、若干の違和感がありながらも
それを丁寧に扱えず、無視し何でもないこととして
流してしまいます)
   
⑤ 物事を極端にとらえる傾向がある、
不安が強い、心配性である:
        
(→例えば、仕事上ミスをしてしまうのではないかと
心配がつきまとい、不安におびえて気が休まらない。
そういう方は、「仮の自分」を担いすぎて、
自己肯定感が充分に育てられず、自分への
信頼が希薄になっている可能性があります)
     
⑥ 密かに「怒り」を抱えている:
        
(→幼少期に自分を抑え込んだ歴史の分、
怒りを抱えています。
怒りを出した経験がないため、適切な表現の仕方を
身に着けておらず、突然、爆発させたり、
第三者に八つ当たりしたりします。
それができない時は、怒りを内側、つまり
自分自身に向け、ひどい時は病気という形で表現し、
結果的に、自分を傷つけ、生きづらさが増します)
  
⑦ 自分と他人の境界線(バウンダリー)が、あいまい:
      
(→まさに「仮の自分」のためです。他人の問題なのに、
自分が解決しようとしたり、自分の人生をほかの誰かに
幸せにしてもらえるもの、と思ってしまったり
することです)
  
  
いかがでしたでしょうか。
     
「偽りの自分」が色濃くなると、
尊重したり大事にしたりする在り方からかけ離れ、
   
生き辛さが付きまといますね。
    
    
ここで当然、出てくる問いは、
    
「この状況から抜け出すためには、
どうしたらよいか?」、ですよね。
   
    
ヒントは、2つ。とてもシンプルです。
    
上に述べたことについて、あなたがどの程度、
こころあたりがあるかの現状把握をすること。
   
その上で、
「自分の感覚や感情を大事にする。
そういう在り方を、今、ここで選ぶ」
と、自分で自分に宣言すること!
    
     
心優しく、周囲に気を遣う、
「偽りの自分」傾向が強い方ほど、
  
「今、ここで決める?それだけでいいの?」と
心もとない感じがするもの。
   
でも、大丈夫です。
  
「意図」し、「宣言する(決める)」こと自体が、
     
変わりたいと願う自分の気持ちを尊重し、
   
本当の自分に近づく行動になっているのです。
   
えっ、そうなの?と思われるかも
しれませんが、
   
本当の自分になる試みは、
子どもにでも、誰にでもできる、
シンプルなものなのです!
   
「今、ここ」の気持ち、感情を大事にすることが、
本当の自分、自分の人生を生きる第一歩です。
       
かつての私も、この課題が強烈にあり、
何十年も苦しみ、それでもなんとか
乗り越えてきました。
    
    
だから、あなたも大丈夫です!

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