こんにちは。相談件数4万件、
「幸せな恋愛・結婚カウンセリング」、
臨床心理士の谷地森久美子です。
パートナーのことで、先日、
ある男性から相談を受けました。
夫婦やカップルのあいだで問題が起きると大抵は、
「相手が悪い」と考えがちなのですが、
この男性は、関係改善のために、
「とにかく、なんとかしたい」と真剣そのもの。
「こういう愛にあふれる男性の、
奥様は幸せだなぁ」としみじみ思う時間となりました。
さて今回は、夫婦・カップルに起きる
「危機」について。
危機というものは、うまく活かせると、
ふたりの信頼関係を深めるチャンスとなるのです!
それでは、はじめていきましょう。
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多くの夫婦・カップルは、結婚を決める時、
永遠に愛が続くことを信じて、
ふたりの生活をスタートさせますね。
ところが月日が経つにつれ、その夢が
生活に紛れ、次第に見えなくなってしまい、
ふとした出来事をきっかけに、身近にいたパートナーが
遠くに行ってしまったように感じて愕然とする――。
程度の差はあれ、みなさんも、
心あたりがあるかもしれませんね。
このような関係の揺らぎを感じた時、それは、
「ふたりの危機」です。
夫婦・カップルの危機や問題は、
ある日突然に、あるいは日常の小さなすれ違いが
日々重なる形で、ふたりのあいだに入り込んできます。
例えば、
子どもに関わる問題として――。
子どもを「産む・産まない」、子どもが「出来ない」、
産後クライシス、子育ての仕方・分担、
学齢期になれば、不登校・ひきこもり、家庭内暴力、非行、
そして進学問題など。
ある時には、お金の問題として――。
日々の生活のやりくり、金銭感覚の違い、
突然の失職、借金、事業の失敗など。
別なある時には、セックスレスとして――。
これは、レス自体が問題になる場合と、
危機状況に、二次的にレスが生じる場合があるものです。
その他、人生の様々な局面に、
ふたりの危機や問題が生じる可能性があります。
それらの「危機」をいかに、
ふたりで生き残り、活かしていけるか――。
今回は、そのコツやポイントを、考えていきましょう!
1) 危機状況こそ、ふたりのつながりを深める機会。
「一緒に取り組む」を意図すること:
夫婦・カップルの関係を脅かすような出来事が起きると、
私たちは動揺し、なんとかしようと向き合い、
問題に対処せざるを得なくなりますね。
ここで大切なことは、
危機に対して、ふたりで「一緒に取り組む」こと!
(そのために、何か起きる前に、
必ず一緒に取り組むことを約束し、決めておくこと)
「そんなことは、当たり前ではないの?!」と、
みなさんの中には、思われる方も、おられるでしょう。
でも実際、危機や問題が起きた時、
ふたりの中で、しっかり行われていないのが現実。
これが、
ふたりで危機を活かしていくために、
最初におさえておくべきこととなります!
2) ふたりは運命共同体。
一人でなんとかしようとせず、
「私たち」感覚で危機に対処していくこと:
上記1)にも重なりますが、
危機に、ふたり一緒に取り組み、
想っていることを“共に分かち合う”――。
この感覚を常に大事にする―――。
これも、先の1と同様、“想いを共に分かち合う”なんて、
「当たり前じゃないの?」、
という声がきこえてきそうです。 (#^^#)
しかし、カウンセリングで、お客様から伺う限り、
うまくいっていない夫婦・カップルが多いのです。
21世紀に入った、この時代においても、
「家のことは、おまえ(妻)にまかせた」
「子どものことは女の役目」という考え方を、
一方的にパートナーにおしつけて、
問題が起こっても取り合わない男性が、いまだいらっしゃいます。
あるいは、(これは、性別に関係ありませんが)
「仕事のことは、パートナーに相談しても
直接的な解決にならない」と、問題がおきても自己完結させ、
ひとりで抱え込み、うつになったり、
生命に関わる行動に走ってしまったりする場合があります。
パートナーを思って、自分の胸にしまっておくのだ、と
主張される方もいますが
この在り方は、ある意味で、パートナーを信頼していない
ことと同じです。
(パートナーに相談しても仕方ない、と自分ひとりで
一方的に判断しているからです)
危機が起きると、私たちは心に余裕がなくなる分、
ついつい、外側に悪者捜しを始めるか、
自分の落ち度を責め始める。
どちらの場合も、こころの中で、グルグル考え続けます。
このパターンは、たとえ、相手に対し配慮しているつもりでも、
ひとりよがりの発想になりがち。
パートナーの立場からすると、
「自分勝手に進めている。人の気持ちも知らないで」
となり、
結果的に、ふたりの関係がぎくしゃくしてしまうことが
珍しくありません。
独身気分の「ひとりで決める」は、
結婚してからは通用しません。
危機や問題に対して、
ふたりで解決するという「協働(協同)意識」が、
「私たち」感覚・意識です。
夫婦・カップルの危機は、
関係を揺るがすだけでなく、時に亀裂が入り、
崩壊の事態を招くことにもなりかねません。
と同時に、
逆説的ではありますが、
痛みや苦しみを伴いながらも、
「問題、危機、困難、試練」といった共通のものを
ふたりのあいだにおきながら、葛藤に留まり続ける――。
そして、状況の改善や、関係の修復を目指して、
一緒に取り組んでいけたとしたら…。
結果はどうあれ、その在り方自体が、
この相手でしか得られないであろう「私たち感覚」、
「特別な関係性」をもたらすことになるでしょう。
最後に、ここで、あらためて「危機」の意味を、
みなさんと共に考えたいと思います。
危機とは、
「大変なことになるかもしれない、あやうさ」(危険)と、
「何かをするのに良い時機、チャンス」(機会)との
はざまにある状況です。
つまり、危機が起きると、
関係崩壊の危険をはらむ状況となる、と同時に、
この状況を活かす意図を、共に持つことができるのなら、
私たちは、これまで以上に、信頼や愛、深いつながりを
パートナーとのあいだに育み、そして創ることができる――、
ということなのです!
このことを、ぜひ、
あなたの心にとめていただきたいと思います。
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