「弱さ」は、“ありのまま” のふたりをつなぐ 「魔法の扉(とびら)」

こんにちは。相談件数4万件、
「幸せな恋愛・結婚サポートカウンセラー」、
谷地森久美子です。

夫婦・カップルについて、何人かの方々に
インタビューをさせていただいたことがあります。  

そのとき幾つか、印象的な事柄があったのですが、
その一つが、身近なパートナーに対して、
「自分の弱さをみせられないこと」。

それを受けて今回は、「弱さ」をキーワードに、
特に男性がパートナーに弱さを見せられないのはなぜか。

そして、その苦しい状況から
「カップルで抜け出す方法」を考えていきます。

さて、はじめていきましょう。

****************
   

   
「自分の弱さ」は、社会経験が長くなるほど、
見せられなくなるものですね。
  
仕事では、安易に「できません」とは言えず、
  
「ここまではできますが、こういう案はどうでしょう」
「もし、可能であればお知恵を貸していただけませんか」
  
などなど、交渉の仕方を工夫して乗りきったり、
  
自分の限界ギリギリまで頑張ってみたり…。
  
働く大人は、生き残るのに、様々な知恵が必要ですよね。
  
   
でも、この「弱みを見せないやり方・在りよう」、
   
「心の鎧(よろい)」、
  
家庭の中、あるいはパートナーに対してまで、
身にまとい続ける必要はないはずです。
  
  
ですが、困ったことが起きても
パートナーに相談しない方、
   
特に男性には、多いですよね。
   
  
ある男性は、こう言いました。
   
  
「経営や経済に関することを
妻に話したって、何にも解決にならないですよ。
もちろん話して解決することがあるのなら、しますけどね。」
   
    
稼ぎ手でない妻に話したって、どうにもならない、
という彼の返答は、
  
女性である私にとって、とても複雑な思いでした。
  
これではご夫婦おふたりとも、辛いし、行き詰まります。
  
    
男性の「弱みの見せられなさ」。

これを救う一つの糸口は、
  
カップル・夫婦という「関係性」です!
   
ここから、さらに考えていきましょう。
  
   
ハイハイや、よちよち歩きの赤ちゃん時代は、  
  
怖いこと、悲しいこと、困ったことがあると、
男の子、女の子関係なく、
  
ママにむかって、わーっと泣くのが、特権でした。
  
   
ところが、男性は、子ども時代から
「青年」になっていく過程で、
     
    
「強く生きろ(弱くあってはいけない)」
「涙をみせるな」
「一人で生きていけるようになれ」
  
   
このような社会の中にある、
姿なき声が男性を支配しはじめ、
   
「弱みはみせない」が鉄則となっていきます。
    
(もちろん、女性でも、同様な
子ども時代を生きてきた人もいます。)
  
   
よく見かける、「自分の子どもが将来、
こんな大人になって欲しい」リストの中に、
   
「人様に迷惑をかけずに一人で生きていけること」が、
ありますが、
  
この「一人で生きていける」は、結構くせもの。
  
「一人で生きていく」は、
「一人で頑張る」に繋がります。
  
そんな親の願いにそって育てられた男性は、
  
もちろんパートナーには肝心なことを相談しません。
   
一人で頑張ることが美学ですから。
  
  
昭和世代には、このような典型的な男性が
とても多いです。
   
ここまでの話、男性にとっては、どこか不快ですね、
ごめんなさい。
   
  
しかし今回、話題にしようと思ったのは、
  
男性の「弱みを見せられない」傾向は、
女性が、きっかけになっている部分がある、
  
それを、女性の方にも、気がついてほしかったからです!
   
   
もちろん女性の立場としても、
パートナーに対して
   
「あの人はいつも一人で決めてしまう」
「何も相談してくれない」など、
   
積もり積もった不満は、数えきれないほど、
ありますよね。
  
そして、
「心配なことくらい、ちゃんと言ってよ」と、
  
相手に感情をぶつけたくなることも、あるでしょう。
   
     
でも、こんな想像をしてみてください。
   
パートナーが、次のような話をしてきた時、
あなたは、受けとめきれるでしょうか。
  
   
「1千万円以上の借金があり、返せないかもしれない。」
   
「会社が経営不振で、リストラされた。」
  
「事業がうまくいかない。このままでは店を閉じるしかない。」
    
   
男性が勇気を振り絞って、自分の弱さを見せた時、
   
  
日頃から話しあっていないカップルほど、
女性側は、驚き、たじろぎ、不安定になるもの。
  
そして、ついつい
  
「ぎりぎりまで抱え込むなんて.
もっと早くに相談してくれれば良かったのに」と、
  
パートナーを怒り、ののしることさえしてしまいます。
   
  
人のことは言えません…、かつての私も
   
「どうして? なぜ?!」と責め立てました (-_-;)
  
  
女性の立場にたてば、もちろん黙っていられるより、
打ち明けてくれたほうが嬉しいですが、
    
突然なので、びっくりしてしまうのです。
   
でもそんな戸惑いに満ちた反応自体、
  
男性にとっては、
   
「パートナーに拒絶・否定された」と、
なる場合も多いのです。
  
  
この残念な悪循環の関係から、
どうやったら、抜け出せるのでしょうか。
  
  
今回は、ポイントを3つ、ご紹介しますね。
  
    
1) 押し黙らず、まずは正直な気持ちを言葉にする:
   
ここで、あなたが一人、強くなる必要はありません。
    
「初めてきいて正直、驚いた。
でも、伝えてくれて、ありがとう。
言われた直後なので、まだ整理がつかないけれど、
一緒に考えようね。これからも、私に、話してくれる?」
  
戸惑ったまま、不安のままでいいのです。
  
固まったまま、無言の状態は、ふたりの危機を
  
「見ないようにする」「臭いものにふた」
「放り投げる」に等しいふるまいです。
   
  
相手と繋がるために、
言葉で返すことが肝心です。
  
   
そして、ほんの一言で良いので、
相手に労いの気持ちを伝えましょう。  
   
  
2)「よくやったね」と自分を認める:
  
これは、問題を打ち明けた側、
そして打ち明けられた側、両方に
大事なことです。
  
打ち明けるほうは、相手にどう受けとられるか、
恐怖が付きまといます。
  
そして、弱みや問題を打ち明ける、ということは
  
これまで築き上げた自己像・こうであるべき理想像が
その瞬間、ガラガラ崩れる状態になるということです。
  
その崩壊の過程の中で、
自分をなんとか保ちながら、パートナーに
打ち明けたのです。
 
だから、「よくやった」と労いましょう。
  
  
そして、打ち明けられた側も、
上の1に挙げたように、
   
不安のさなか、相手に、しっかり応えられたことを
労ってあげましょう。
  
逃げず、現実直視しようとしたこと。
  
そして、戸惑いながらも、
相手の勇気を、受けとめようと意図したこと。
  
そのあなたの姿勢こそ、パートナーにとっては、
  
弱さを受けとめてもらえたという、
最高のギフトになるはずです。
  
    
3) 弱さは、ふたりが本当の夫婦・カップルになる
「魔法の扉」と捉えてみる:
  
パートナーが弱さをみせた時、
あなたは、パートナーに幻滅するかもしれませんね。
  
なぜなら、あなたは、強いあの人が理想だったから。
  
でも幻滅によって、等身大のパートナーが見えてきます。
   
  
「理想のパートナー像」を互いに、
相手に重ねあっているうちは、
  
理想と理想、つまり「現実ではない幻想の関係」。
  
若い時代は、思う存分、恋愛に代表される、
夢や幻想の世界を経験することが必要です。
  
ですが、結婚したり、特定の相手と
生活をともにしていけば、
  
その幻想も、必ず効力を失います。
  
  
「ありのままの自分を受け入れてほしい――」。
  
あなたが、そう思っているのなら、
パートナーも、もちろん、同じ気持をいだきますよね。
  
  
弱さを含めた、「ありのままのあなた」と
「ありのままのパートナー」、
  
現実をしっかり見すえた、「等身大のふたり」が出会う時、
   
  
それこそが、
「本当の夫婦になっていく」、第一歩となるでしょう。
  
  
カップルのあいだで「弱さ」を丁寧に
活用していけると、
   
「弱さ」自体が、ありのままのふたりをつなぐ、
魔法の扉(とびら)となるのです。

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