こんにちは。相談件数4万件、
「幸せな恋愛・結婚カウンセリング」、
臨床心理士の谷地森久美子です。
「最強のパートナー(前編)」は、
おかげ様で多くの皆さまから反響をいただきました。
関心を持っていただき、
ありがとうございます!
やはり、パートナーとの関係性は、
どの年代にも共通する大事なテーマなのですね。
さて今回は、カップルが互いに最強のパートナーとなるために、
個人レベルで大切なこと=「弱さをひらく勇気」について考えていきます。
それでは、はじめていきましょう。
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大事なひとと、お互い最強のパートナーになること。
これは、現在、恋愛中の恋人同士から、結婚しているご夫婦まで、
多くの人が願っている「カップルの理想」のひとつですね。
前編では、最強のパートナーになるための、
重要な2つの観点をお伝えしました。
一つ目は、
ふたり一緒の成長を目指して「関係を耕していく」こと。
(前回の記事でとりあげましたので、参考になさってくださいね)
そして二つ目は、
個人でも成長を意図して、自分を育んでいくこと!
本編では、二つ目の、
カップルが互いに最強のパートナーとなるための、
「自分の育み方」を考えていきます。
大事なポイントは、いくつかあるのですが、
今回は、
「相手に弱さをひらく勇気」
――について考えていきましょう!
パートナーとの関わりで、相手の言動に、
密かに心がチクンとする状況…、
みなさんは、そんな体験、ありませんか。
その時に感じた、傷つきや自分の中の弱さ。
それを悪いものと思わずに、
パートナーとのあいだで、ひらいていけると、
逆に、親密さや、つながりを深める鍵となるのです。
しかし――、
「相手に、自分の傷つきや弱さをひらく」と言われても、
なんとなく、ぴんとこない方も、おられるでしょう。
あるカップルの具体的なエピソードを紹介しながら
詳しく説明していきますね。
Bさんは、5年前までは専業主婦。
その後、起業し、ここ数年で目覚ましい成果をあげました。
そしていつの間に、夫A氏の収入を上回る勢いとなりました。
とある休日、ふたりで、くつろいでいると、
Bさんはご機嫌な様子で、こんなことを呟きました。
「月々まとまった収入も入るようになったし、貯金も貯まった…。
都心にマンションを借りて、一人暮らしでも、しようかなぁ」
それをきいたA氏は
(どういうこと? 何を考えているんだ?!)と、
パートナーの唐突な発言に、戸惑いました。
こんな時、多くの場合、言われた側は、
「え?!」と心の中で思いつつも、
無視したり、黙ったまま話を流したり、
傷ついているはずの
自分の状態に気を留めることなく、
逆に上から目線で、
「何、バカ言ってんだよ」と意見して、
「相手への不愉快さ」にのみ、注意を向けてゆく――。
この種の傷つきは、生活の中では何度も上塗りされ、ついには、
イライラ地獄にハマり、ぬけられなくなっていきます。
この時、相手に怒ってみても、
こころの中の傷つきは、パートナーには見えません。
相手からみれば、逆に怖そうにみえることさえあるのです。
ところが、A氏は、違いました
「それって、俺との生活が、
どうでもいいっていうこと…?」
萎えかけた気持ちをぐっと自分で支えつつ問いかけました。
実はこれ、パートナーに対して行えそうで行えない、
絶妙な問いかけ方とあり方なのです!
通常、このような状態に陥ると、
相手への不信感や、それに伴う傷つきに圧倒されて、
パートナーとしっかり関わるのを、心の中で、
パシャッと却下してしまう人が、とても多いのです。
しかし、ここでたじろがず、関わりきったA氏。
おかげで、次の瞬間、Bさんのほうも、はっと気がつき、
自分にとっては、何が大切かを、このやりとりで
あらためて考え直したと言うのです。
A氏のチャレンジは、まさに
「弱さ」を相手にひらく「勇気」です!
パートナーと出会った頃は、
相手の表情や雰囲気が変わっただけで、
何かあったのか――、
今、何を考えているのか――、
気遣ったり、言葉にして尋ねたりしたもの。
しかし関係が長くなり、仕事や子育て、
家事などで忙殺されて行く中と、
心の繊細さや感情を互いにやりとりしていくことを
「恥ずかしい」、「子どもじみている」、
「青臭い」ととらえ、しなくなる傾向があります。
加えて、「大事なパートナーだから」こそ、
こころの内をひらいて、
相手が受け入れてくれなかったらどうしよう、
想定外の反応をされたらどうしようと、
傷つきや恐怖が他の誰に対してよりも、つきまとう。
でも、それは当然のことですね。
では、最強のパートナーとなるために、
特に「弱さを(相手に)ひらく」について、
どんなことを大事にしていけば、よいのでしょうか。
先にあげたカップルを参考にしながら、
以下のことを、心にとめていきましょう。
ちょっとした、ふたりの関係の危機は、日常にあふれています。
そんな時に、A氏さんの在り方を思い出してみましょう。
A氏の、パートナーへの試みは
「自分自身を失わず、自分を犠牲にしない在り方」。
自分自身にも、パートナーに対しても
「ごまかさない生き方」。
この部分がとても重要です!
そして、これが「弱さをひらく勇気」に繋がります。
カップルの危機、特に「ふたりのあいだ」に生じる危機は、
問題がどこにあるのか、見えにくいもの。
そしてその分、気持ちの分かち合いが肝心。
わかっているつもりで、気がつかないことは、たくさんある。
伝えあって初めて、わかりあえることも、たくさんある。
そう…、「弱さをひらく」ことは、大人の固くなったハートに
親密さや潤い、さらには官能をも誘う、心のカギなのです!
最後に、ひとつだけお願いです。
相手を様子見するのは、やめてみましょう。
「あなた」がまず、勇気をもって、パートナーに、
弱さをひらいていくことを忘れないで。
カップルのうち、一方が最初に動きだしてこそ、
ふたりの変化が始まるのです。
最強のふたりへの第一歩は、
あなたの勇気にかかっているのです!
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