こんにちは。相談件数4万件、
「幸せな恋愛・結婚サポートカウンセラー」、
谷地森久美子です。
一瞬で恋に落ちたり、
「赤い糸のご縁がある」と感じた関係性であっても、
お互い慣れてしまい、
「この人で本当にいいの?」と自問してしまうこと
長い付き合いのカップルや夫婦なら、
必ず通る道ですね。
出会った時の、
あの何とも言えない共有感はどこにいったのか。
愛はなくなったのか。
ふと、そんな孤独に襲われることが
私たちにはあるものです。
きょうは、プロセスワークの創始者・ユング派分析家である
アーノルド・ミンデルの「夫婦へのアプローチ」を
見ていきながら、カップルの「関係修復」にむけての
具体的ヒントをご紹介いたします。
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ある専門職同士のカップルがいました。
ふたりは、お互いに相手に
「へだてる壁」「仕切り」を感じ、
夫婦関係が難しくなっていました。
「ふたりが出会った時の思い出は?」
そう、ミンデルが質問すると、
夫婦は共に、「最初の晩に、“一緒に寝た” 」ことを
思い出します。
ふたりは、モーテル(自動車旅行者用のホテル)で
開かれたパーティーで出会い、
モーテル内の別の部屋に“しけこみました”。
…そして、二人が部屋から出ようとした時、
ドアが偶然にも壊れ、
内側からは開けられなくなってしまいました。
モーテルのマネージャーが、閉まったドアをこじ開けるまで
ふたりは、何時間も閉じ込められることになりました。
この件で、ホテルは大騒動となり、
パーティーに参加した友人たちみんなに、
ふたりが一緒に寝たことについて、知れ渡ってしまいました。
「閉じ込められるという感覚・体験」。
それを聞いたミンデルは即座に
「2週間ほど離島へ旅行すること」を二人に提案しました。
再び、閉じ込められることで神話と繋がり直すことができ、
それはふたりの助けになると考えたからです。
夫婦は、離島へ旅行すると、
…なんと「問題」は、消えてしまいました!
参考文献:『24時間の明晰夢 ~夢見と覚醒の心理学~』
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上のカップルセラピーの話は、
紙面の都合上、人間関係に取り組む際の
ミンデルの基本的な考え方や、
ふたりに試みたワークの内容について、割愛してあります。
その分、「何が起こって、問題がなくなったの?」
「ええ~?!、本当?魔法みたい…」
読者の皆さんの中では、
そう思われた方も多いでしょう。
今回、みなさんにお伝えしたいポイントは、ひとつ。
大事な誰かとの「出会いのエピソード」に立ち戻ることが
ときに、こじれた関係の助けになる、ということ。
ミンデルはそれを「二人の物語・神話」、
つまり、「人間関係の種」のようなものだと考えました。
その種は、カップルの「関係の基盤」であり、
その基盤をもとにして
「大事なふたりの関係性が組み立てられ、形作られていく」
と考えました。
ところで、この夫婦の問題は、
ふたりとも相手に「隔てる壁・仕切りを感じていた」
ことでしたね。
専門職として、それぞれ日々忙しく過ごすなかで、
互いに関心を向ける余裕もなくなり、
「関係の種」との繋がりも遠のき、
――そして、気が付くと「壁」が現れた。
このふたりの「関係の種」=神話は
「閉じ込められるという感覚・体験」でした。
その体験を“再びふたりで”
離島に身を置きながら生きてみること。
ミンデルは、ここに着目しました。
仕事にとどまらず、日ごろの人間関係からも切り離され、
離島という、まさに「閉じられた空間」での
夫婦水入らずのバカンス。
こじれた夫婦には、
少しきついアプローチかもしれません。
しかし、2週間も一緒に過ごせれば、
神話と再び繋がり、壁も取っ払われることでしょう!
さて、みなさんは、どうでしょう?
大事な誰かと、どんな思い出がありますか。
できれば、自分だけでなく「相手も一緒に覚えている」、
そんな記憶を思い出してみましょう。
相手と自分、ふたりを結びつけていた
「関係の種」=「最初のきずな」に
一緒に繋がりなおすこと。
これは、夫婦の「危機」にとどまらず、
それ以前の「倦怠期」、
「恋人関係」、「友人関係」、「親子関係」、
「仕事の人間関係」などにも応用できます。
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