「彼女が引きとめるから、別れられません…」~共依存って何?~

こんにちは。相談件数4万件、
「幸せな恋愛・結婚サポートカウンセラー」、
谷地森久美子です。

筆者のオフィスでの相談申込みの傾向として、
特にここ数年は、女性に限らず若い男性が、
恋愛の辛さ・失恋の痛手を動機として
カウンセリングを申し込んでくることが少なくありません。

今回は、恋愛関係がこじれている
20代半ばの男性の例をご紹介します。

このテーマは、年代関係なく多くの人が心あたりがある、
「こころの傾向」を一緒に考えていきましょう。

**************************

Aさん(男性、社会人3年目)は、最近、彼女B子さんが
重荷です。

「一日に、朝・昼・晩は必ずメールして」

友だちや仕事の付き合いで、連日予定が入ると、
「どうして、ほかの用事を入れるの? 」

仕事で疲れて、たまには休日ひとりでノンビリしたい時も
「週末に会うのは、当然でしょう?」

彼女B子さんは、一緒に歩いていると、

まわりの男性がふりかえるほどの
魅力的でチャーミングな女性。

「こんな平凡な僕でいいのか」

自分が彼氏になれたことだけで満足のAさんでした。

B子さんの一方的とも思える要求も、あばたもえくぼ状態で、
かわいい我がままとしか、思えなかったといいます。

ところが、彼女の要求は、次第にエスカレート。

日中、彼女からメール。
すぐ返事できず、1時間後に電話すると
「なんで、すぐに返事くれないの?」

平日夜の仕事中に、
「寂しいの。きょう、会って。」

平日深夜、仕事に疲れて熟睡している中、突然の電話。
「終電に間に合わなかったから、今から迎えにきて」

Aさん 「もお~!! 子どもじゃないんだから、
一人でなんとかしろよ!」

翌日の夜8時すぎ、雨の中、Aさんが退社するまで、
ずっと職場ビル前で立ち尽くすB子さん。

「昨日、会えなかったから。寂しかった…」

彼女の姿を見た瞬間、何度目かの
「もう無理…」「うんざり」が、
Aさんの心に、こだましました。

別れたい―――。

Aさんはこれまで、B子さんに別れを切り出しました。

何度も。

しかし、その度、
「私を一人にするの?私、生きていけない。
もう一回、チャンスをちょうだい。
今度こそ、あなたを苦しめないから」

わがままモードから一転し、
ぽろぽろ涙を流しながら、
つぶらな瞳で訴えかけるB子さん。

可憐で、儚げで、自分が支えていかないと
今にも崩れていきそうな彼女の様子。

Aさんは、いつも、この状況で、決断できなくなると
言うのです。

「ぼくは別れたいんです。
でも、彼女がそうさせてくれないのです」

*************************

みなさんも、ご友人などから、恋愛のこじれ話として
このような話を聞いたことがあるかもしれませんね。

どんなカップル・夫婦でも、関係が近くなればなるほど
こういった関係になりがち。

これは「依存」、もしくは「甘え」と呼ばれます。

一方、個々の生活で相手から影響を受けすぎたり、
精神的・物理的な「支配―服従の関係」に陥っているとき、
それを「共依存関係」と呼びます。

「共依存」という言葉は、ひと昔前は、
「アルコール依存症の夫婦関係」や「機能不全家族」の
パターンのひとつとして使われていました。

しかし、実は、今回のAさんのケースのように、
ごく普通の恋愛・夫婦関係でも、よく見受けられます。

ふたりのうちの片方が、過度の束縛感を感じ、
パートナーに、「やめてほしい」と言っても、
「付き合っているんだから」「夫婦だから当然」
などの理由で、一方的に却下。

たまに耐えきれず、束縛された側が実力行使で、
「別れ」を切り出すと、
これまで強気だった側が、
情に訴え、海より深く反省し、泣きながら懇願し、
時に、自殺すらほのめかして引き止めます。

そのため、いつまでも、関係が改善しません。

みなさまの中には、
「こんな腐れ縁、いつまで続けているの?
さっさと別れたらいいのに・・・」
と、あきれた方もおられることでしょう。

でもいざ当事者になったら、簡単に切れません。

それが「共依存関係」たる所以です。

うんざりして、別れたくなって、この恋愛を続ける意味はない。
そう思っても、こころのどこかに、
「こんなに自分を思ってくれるのは、
あいつ(あの人)しか、いない…かも」

「あいつは、俺がいないと生きていけない」

そんな思いがよぎって、別れられないのです。

共依存関係にはまると、二人の幸せにつながる
話し合いができなくなります。

結果、なし崩し的に、
ずるずる続く傾向があります。

もちろん互いの成長はありません。

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