ふたりのあいだに、なぜ勝ち負けが生まれるのか

こんにちは。臨床心理士として20年、
「幸せな結婚・夫婦・家族カウンセリング」の谷地森久美子です。

このサイトでは皆さまが大事な方と、
より幸せになっていくために
「愛は、関わり合いを通して創り続けるものである」
を中心テーマとして、心理学の様々な智慧を
皆さまと共に分かち合っています。

たとえ人生は波乱万丈であっても、
パートナーとはおだやかなひと時を持ちたい…。

これは、多くの方が願うことの
ひとつではないでしょうか。

それなのにきょうも相手と、
勝った・負けたをやってしまう――。

それは、どうしてなのかを考えていきます。

それでは、はじめていきましょう。

**********************************
        
「相手に負けたくない…」
         
パートナー、もしくは彼/彼女に対して、
本来、勝ち負けなんて、必要ないはず。
       
なのに、相手に負けたくないと思ってしまう。
       
みなさんは、こういうこと、ありませんか。
       
誰かに愚痴るには、あまりにささやかで、
だからこそ、はばかられるような、でも、
       
ふたりのあいだで何度も繰り返されている
すれ違いやぶつかり合い。
       
       
カップルの問題を伺っていると、
かなりの確率で、しっくりいかない背景に、
       
「勝ち負け」が関係しています。
     
      
白状しますが、かつての私も、これを
自らしかけ、相手をやり込めていました…(-_-;)
       
       
なぜ、そんな状態に陥ってしまうのでしょう?
       
今回は、その原因に迫っていきたいと思います。
       
      
そして解決のヒントは、ずばり、
あなたの中の「女性性と男性性の活用」です!
     
     
性別を越えて、私たち誰もが持っている、
    
相手に関与し続けようとする(女性的)特質と、
     
相手が受け取りやすい表現を選び、
適切な言葉で伝えていく(男性的)特質を、
       
バランスよく活かすことです!
       
       
ここから、さらに「勝ち負けが生まれる原因」を
考えていきましょう。
       
       
☆正しさを優先しすぎると、ふたりの関係は
 脅かされる?!
     
楽しいことよりも、正しさ・正確さが
優先された家庭で育ったあなた。
       
本当はもっと甘えてもいい時期に自力で
自立を果たしていったあなた。
      
その他、諸々の状況で、
ひとり頑張るクセがついたあなた――。
      
   
そんなあなたは、自分を守る工夫として、
頑強な男性性、
「ロゴス」を身につけていきます。
      
      
「いきなり、ロゴスって、何?」ですよね。
以下に、簡単に説明しますね。
       
       
「ロゴス」は、
      
言葉(広い意味のことば)、論理思考に基づいた
男性性の根源的要素。
       
ここでの「男性性」とは、生物学的な男性♂ではなく、
「心理学的な、男性的特質」です。
      
      
判断、区別、切断などのパワーを伴った要素や、
      
自分の内側=こころ(感情、気分、気持ちなど)に
注目するよりも、
       
意見を述べたり解決を求めたりする、
主に頭(思考)に意識をむける特質があります。
      
これは、ビジネスシーンにおいて、
存分に活かせる要素ですが、
       
近しい間柄には、配慮や工夫が必要です。
      
     
距離が近い関係ほど、「気持ちの通いあい(情緒)」や
「気持ちが伴った言葉選び・言葉かけ」を
    
地道に、丁寧に、結果を焦らず、
積み上げていくことが肝心です。
      
(この「地道さ」「結果をあせらない」は、
パートナーシップや「愛ある関係創り」には
必須事項です!)
    
そしてこれは、恋愛関係や夫婦に限らず、
親子関係においても言えることです。
        
        
「論理的に正しいのは、こっち、だよね」
     
「社会的常識で判断すれば、これを選ぶべきでは?」
     
「その発言は、何? 恥ずかしくないの?!」
        
     
そう主張している側は、悪気がなく、
良かれと思って言っていることがほとんどです。
        
ですが、言われた側にとっては、
たまったものではありません。
       
        
パートナーだからこそ気を許し、甘える意味も込めて、
外なら絶対、言わない本音を口にしたというのに、
受け取ってくれない。
        
これは、とても、傷つく! 

(大人でも子どもでも、両方、傷つきます。
正しさを優先した教育を受けたひとは、成人してから、
身近なひとに同じ関わり方をしてしまう
パターンがあります。)
        
      
指摘された側(傷ついた側)は、
これ以上、傷つかないように身構える。
       
(幼少期に、この関わり方をされた方は、
親の関わりによって、素直さを、失います。
素直になれない方は、このメカニズムが存在します。
だから、素直になれないことを、自分で責めない
ようにしてくださいね。自分を守るために身構えて、
素直さを失った・複雑になった経過があるのですから。)
        
      
少し、脱線しました。ここからあらためて
「なぜ勝ち負けが生まれるのか」に戻ります。
        
親しい間柄なのに、相手から「正論」を強調され、
甘えられない雰囲気になる。
       
本来、味方であるパートナーとのあいだで
傷つき体験が生じ、相手への信頼が脅かされる。
       
信じていた相手だからこそ、よりショックが大きく、
これ以上、傷つかないように身構える…。
       
その結果、自分の正当性や生き残りをかけた戦い
=「勝った・負けた」が生み出されていくことになる。
         
     
そして、この勝ち負けの萌芽は、
一見、取るに足らないことに見えるため、
       
大抵、数回はイラッとしても大人の対応として、
流してしまうことも多い。
         
       
本来、勝ち負けの芽が出た瞬間、
      
これを取り上げていければ、
お互い理解しあえる絶好のチャンス…、となるところですが、
        
それを流したことで、また同じことが起こり、
その都度、イラッ、カチンが勃発。
        
そのうち、互いに、相手の言葉にとげや反感を感じ、
言葉の裏を読み、ふたりのあいだには
緊張が高まっていくのです!
         
表面上、波風立たないまでも、水面下では
冷戦状態(冷たい緊張関係)の場合もあります。
      
そうして、気が付いた時には、
悪循環にハマっている――。
          
以上のような経過・状況が、
勝ち負けの根底にあるわけです。
            
      
次回は、さらに、
     
「メイク・ラブと勝ち負け」について。
     
そして、この勝ち負けを、
「ふたりで、どう乗り越えていくか」を
考えていきます。
         
最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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