幸せなみらいは、自分の「弱さをひらく」ことから始まる

こんにちは。相談件数4万件、
「幸せな恋愛・結婚カウンセリング」、
臨床心理士の谷地森久美子です。

今回は、自分の弱さをパートナーに
開いていく(オープンにしていく)ことについて。

それは人生経験を経るほど難しく、
でもだからこそ大切なことだと思うのです。

それでは、はじめていきましょう。

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私たちは、困難な状況にぶつかると、
   
「どうしよう、どうすればいいのか」と慌てたり
あれこれ考え込んだりしますよね。
         
そして、この状況に対する反応のひとつとして、
    
「押し黙る」、「ひとりでなんとかしようとする」が、あります。
     
   
これらは、結構、クセ者です。
  
職場での仕事に置き換えると、わかりやすいですね。
  
つまり問題案件が起きて、自分で対応策が見つからないのに、
誰にも相談せず、抱えたままでは、当然、支障が出てきます。
  
   
周囲に何も表現せず、ひとりでなんとかしようとするのは、
どんな関係や状況であっても、
   
「つながりを閉ざすことになってしまう」のです!
     
  
仕事では「報告・連絡・相談」を心がけている人でも、
「場」が、職場から家庭に変わった途端、
   
無自覚に、自分の殻にこもる、ということが、よくあります。
   
    
特に、幼少期、あたたかさが希薄な環境の中で、
ひとりで頑張らざるを得なかった「辛い子ども時代」を
過ごしてきた方は、このパターンに入ってしまいます。
   
念のため言いますが、このパターンを
一方的に否定しているわけではありません。
   
それが、子ども時代、生き残るための、
なけなしの工夫だったのですから…。

    
ですが、結婚し共同生活に入っても、
   
このパターンを気づけないでいると
最悪、パートナーを傷つける状況に陥ってしまう――。
  
そういうことが起きる可能性を、
どうか、心にとめておいてくださいね。
   
   
つまり、当人にとっては、苦しい時に自分が行う、
いつもの反応のパターン・在り方だったとしても、
    
パートナーにとっては、耐えがたく感じることもあるのです。
     
周囲から眺めると、その在り方は、
  
イライラしているように見えたり、まるで、
気にさわることでもしたかのように思えたりする。
  
その結果、ふたりの関係や家庭の空気が、
悪くなってしまいます!
  
  
このことは、
カップルカウンセリングでも、よく話題になります。
  
   
妻「なぜ、あの時、押し黙ったままだったの?!」
  
夫「いや、あの時は、混乱していて…。
どうすればよいか、わからなかった」
  
妻「私は、“何かあった?私にも聞かせて”と声をかけたよね。
でも何度たずねても、あなたは黙ったままだった。
  たった一言でも、胸のうちを明かしてくれたら、
  私だって何とかしたのに。
  こんな、こじれ方には、ならなかったかもしれないのに…。」
    
   
困っている気持ち(自分の弱さ)を、相手に伝える試みは、
慣れていない方にとって、とても難しいもの。
  
  
でも、上の例で、妻が言っているように、
   
胸のうち=「自分の弱さ」をひらいていけば、
具体的対応策は見つからなくても、
   
パートナーは「今、そういう状態なのね」と
理解してくれる可能性を生みます。
  
そうすれば、不信感を持たれなくて済みますし、
  
ひとりで抱えているよりも、分かち合ったほうが、
思いがけないアイディアが沸いてくるかもしれない。
     
ふたりで、「弱さ」をあいだに入れて、やりとりすること自体、
一緒に乗り越えていく共有体験になるはずです。
      
(ここで、男性は、問題が具体的に解決されないなら、
ふたりで分かち合っても意味がないと一方的に判断しがち。
  
ですが、女性は分かち合い自体を大事にされる方が多いです。)
  
  
    
もしかしたら、みなさんの中に、
   
「弱さをひらく」の「弱さ」に対し、
   
ネガティブ(否定的)なイメージを感じる方が
おられるかもしれません。
    
そんな方は、
幼い時のことを思い出してみましょう…。
    
例えば、足元がおぼつかなかった幼い日、道端で転んで、
思わず、わんわん泣いてしまったとき――。
  
身近な大人が、どうしたの?と声をかけて、
手当をしてくれた、…そういう経験はありませんか。
    
転んで、かすり傷を負うのは、嫌だし痛いことですが、
     
泣いて弱さを表現すると、ひとが近寄って手を差し伸べてくれるのです。
  
そして相手とつながって、ほっとできるのです。
  
  
親との関係では、それが見つからなくても、
親戚、学校の先生、近所の大人、友だち・仲間などなど、
  
自分が困ったり、弱ったりした時に、
助けてもらった経験…、みなさんはありませんか。
  
そして状況が辛くてたまらない時ほど、
誰かが、寄り添い受けとめてくれると、
これまで以上に、相手とつながりを感じる――。
  
これは、
多くの方が経験していることではないでしょうか。
   
  
不思議なことですが、そういう時、寄り添う側も、
  
弱さをみせてくれた相手に、親近感やつながりを、
   
そして、頼りにされた自分自身に、ささやかな喜びを
感じることがあるものです。
   
この瞬間は、弱さをひらく側と受け取る側に、
    
心の垣根がなくなり、安心感や親しみが、
ふたりを包みます。
    
  
   
その一方で、子ども時代は無防備だからできたことであり、
歳を重ねるほど、それが難しくなっていくのも、
    
誰もが感じる現実の厳しさかもしれません。
     
   
でも、もし、そうであれば、
    
外では見せられない弱さを分かち合う関係に、
誰かとなれたとしたら、それは最強のパートナーとなりますね。
  
  
   
自分の中にある「弱さ」は、抱えているだけでも大変。
  
それを相手にオープンにしていくのは、
ある意味、とても勇気がいることですね。
  
普段、「強い自分」という心の鎧を身につけているひとは、
      
弱さをひらくこと自体、消耗しますし、傷つくこともあるでしょう。
  
   
パートナーから、
   
「なんだ、そんなことを悩んでいたんだ」と、
  
軽く流されたり、けなされたり、
受け入れてもらえない可能性も、もちろんあります。
  
  
でも傷つくのを恐れていたら、弱さを含めた、素の自分を、
いつ、パートナーと分かち合うのでしょうか。
  
  
私たちは、誰もが完璧ではありません。
  
「表に見せている自分」と共に、
   
自分も見たくない、誰にも見せたくない、
「ナイーブな一部分」も、心の奥にあるものです。
  
  
  
「自分が弱さを見せたとき、パートナーが
受け入れてくれるかどうか、保証がないじゃないですか」
   
    
「子どものころと違って今の自分は、先も読める。
気軽に、オープンにするなんてできません」
  
  
弱さをひらくことを思い描くと、上のような、
ためらう気持ちが、心の中にひろがるかもしれません。
  
  
ここで、大事なことを整理していきますね。
   
  
それは、
  
生身の自分を、そして自分の弱さを、ひらいていく試みこそが、
パートナーとのつながりや信頼関係を育むのです。
  
そのために日々の生活で、相手に対して自分をひらくことを、
意図的に練習することが肝心です!
  
   
これは、何かあるたびに、相手に思いを吐き出す、
という意味ではありません。
  
   
最初は、「これくらいなら、誰でも大丈夫」程度の
弱さとも言えない、ちょっとした思いを、あえて話題にしてみる。
  
   
次に、パートナーへ少しだけ、辛さや痛みを出してみる。
  
それを相手に受け入れてもらえなくても、
一方的に、すねたり、へこんだりせず、関わり続ける。
    
この段階は、まさに、弱さをひらく練習であり、
トライ アンド エラー アンド トライ…と、
あきらめず粛々と、続ける。
     
(この時、「弱さをひらく側」と「受けとめる側」
という役割が固定しないようにしながら、
柔軟に、その試みがふたりのあいだで続けられると、
理想的です。)
         
    
   
その積み重ねの中で、弱さをひらく割合が少しずつ増えてくると
    
「相手に受けとめてもらった気がする」
「話していて、なんだか楽しい」
「お互いの対話の中で、あらたに気づいたことがある」
「以前よりも構えずに、相手に心をひらくことが
できるようになってきた」
   
といった体験が、
それぞれの心に根付いていきます。
    
すると、それぞれの中に、
相手への安心感や、自分への小さな自信が生まれます。
     
このような試みを、ふたりで、時間をかけ、手間暇かけ、
根気強く続けていけたとしたら――。
     
       
その先には、
      
   
人生の想定外の出来事にも、簡単には揺るがない、
     
「深いつながりと確かな信頼で結ばれた私たち」という、
かけがえのない関係性が創られていく――。
      
私は、そう信じています。

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