こんにちは。相談件数4万件、
「幸せな恋愛・結婚サポートカウンセラー」、
谷地森久美子です。
私たちは、生活の中で、様々な「出会い」、
そして「別れ」を経験していますね。
このふたつは、
心を強烈に揺さぶる人生のエッセンスでもあります。
さて今回は、別れによって引き起こされる「悲しみ」を、
「心の糧」にするコツについて考えていきます。
さて、はじめていきましょう。
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「この人」「運命の人」と思って
関わってきたパートナーとの別れ…。
年齢関係なく、これは、とても辛いですね。
そんな時の対処法として、
「前向きに」、
「気持ちを切り替える」
といったことが提案されがちですが
あなたが、せっかくの出会いを
心の糧にしていきたいのであれば、
切り替える前に、次のことが肝心です。
それは、
「別れを、しっかり悲しむ」こと。
この表現自体、違和感を覚える方も多いですよね。
なぜなら、
「悲しむこと」は、日常生活において
否定的な響きがあるからです。
しかし、悲しむことを繰り返すことにより、
私たちの中に、「悲しめる能力」が育まれていきます。
悲しむことは成長に不可欠な要素なのです。
さらに説明していきますね。
心理学では、
大事な存在を失うことを「対象喪失」、
そして、大事な存在との別れの作業を
「喪の作業」と言います。
悲しみにひたることは、混乱しそうになりますね。
そのため、私たちは、
日常生活や仕事に影響しないように、
感情を心の奥におさめ、
「なかったこと」にして、前に進んでいこうとします。
しかし、いくら、なかったことにしても、
実際、悲しみは、心の奥に残ったまま。
それでは、気持ちは整理が付かず、
傷ついたり、弱ったりしてしまった
自分の一部も、
本当の意味では、回復しない。
恋愛において、付き合い始めの時ほど、
ふたりは、一心同体、
溶け合うような繋がりを感じます。
その関係を失うことは、
心にぽっかり穴があいたような、
自分の半身が引きちぎられたような、
空虚感や途方に暮れる感じ、
あるいは心の痛みが伴うものです。
自分の内側に、このような状態が起きているのに、
感覚を麻痺させて、
新しい出会いに気持ちを切り替えていく人は、
「恋愛のときめき」という着ぐるみの下の
「相手との融合感(溶け合うような感覚)」。
これが、欲しくて欲しくて
たまらないのかもしれません。
空虚な自分のこころを埋めるために、
別な相手が必要なのです。
それは、禁断症状と同じ。
まるで、相手と自分が重なり合って、ようやく
欠けていた自分が取り戻せる感覚。
私たちはとかく、幸せは
「相手が運んできてくれるもの」と思いがち。
幸せは、ふたりで一緒に作っていくもの。
そして、そのためにも、
幸せをつかむ「自分になる」こと。
大事な相手を失って、ひとりになってしまった時。
悲しみを味わう機会を持つことが、
自分づくりの絶好のチャンスです!
もちろん、大事な人との関係を
育み続けることが一番ですが、
残念ながら、それが叶わず、
「終わった」ときには、
なによりも「悲しみを抱えていく」こと。
「悲しみを抱える」とは、例えば
次のようなことです。
関係が終わったことによる傷つき、
失った相手への愛情と憎しみ、
それに伴う様々な罪悪感、後悔の念、
恨みや怒りなどなどを
「蓋をせず、心の中で、まず感じてみる」。
生産性がないとか、意味がないとか思わず、
それらの感情を善悪などの基準で判断せず、
「感じることを許すこと」。
悲しくて泣きたくなったら、
これも「自分に許可すること」。
泣いたら、みじめだとか、男らしくないとか、
後ろ向きだとか評価せず、
涙がでたら、そのままで、いい…と
「自分を労ってあげること」。
(この部分、特に男性の方、重要ですよ)
そして、関係が終わったことで、
「自分を責め過ぎないこと」。
相手は、もう身近には、いないけれど、
相手との大事な思い出は、自分の心の中で、
いつでも思い出せる、
相手との関係で育んだものは、実はすでに、
かけがえのない「自分の一部分として確かにある」、
――といったことを丁寧に、味わってみること。
これが、悲しみを抱えること・味わうことです。
実は、大事な存在を失うこと(対象喪失)は
恋の痛手だけに限りません。
大病に陥る(「健康な自分」の喪失)、
仕事のスランプ(「有能な自分」の喪失)など、
人生において、あらゆる時期に、
繰り返し「対象喪失」が訪れます。
そして私たちは、その都度、
できれば意図して、じっくりと
「喪の作業」をやり抜いていけると
私たちの心は、
深みを増して豊かになっていくのです。
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