カップルにおける「非合理的な思い込み」前編

こんにちは。相談件数4万件、
「幸せな恋愛・結婚サポートカウンセラー」、
谷地森久美子です。

夫婦の問題で、
「パートナーから、“言わなくても、
それくらい察しろよ”と暗黙のうちに要求される」
という話をよく聞きます。

でも、これを求められ続けるのは、
辛いです。

私たちは、相手の態度を察し、
阿吽の呼吸で立ちまわっていけるほど、
万能ではありませんよね。

さて今回は、
「夫婦や結婚に関する一方的な思い込み」の話です。

自分は当たり前だと思っていても
相手にとってはそうではなくて、
その部分で衝突が起こることは、
よくあるものです。

さて、はじめていきましょう。

****************
  

先にあげた、「言わなくても、もっと察しろよ。
夫婦なんだから、当然だろ?!」
  
こんなふうにパートナーから、
要求された経験、あなたは、ありませんか。
   
実は、この「夫婦なのだから当然」がクセ者。
  
その「当然」は、それを主張した本人と   
実家にだけにしか通用しないことが多いのです。  
   
そして同時に、あなたにとって当然なことも、
  
パートナーにとっては、そうではない、
ということがあるのです。
    
   
家族療法において、これらの「当然」を
  
夫婦や家族に関する、
「非合理的思い込み」と呼びます。
  
この思い込みは、時代・マスコミ・教育などの
影響はもちろんですが、
   
それぞれが育った家族(以下、原家族)からの
影響が、もとになっています。
  
「非合理的思い込み」という言葉は
なんとなく堅苦しい印象ですよね。
  
表現を変えると
   
その家にとって空気のように馴染んだ
独自の「文化」や「常識」のことです。
  
   
カップルや夫婦が、話し合いをしても
うまく咬み合わないとき、
  
それは、お互いの背景にある
     
「家の文化の違い」が
関係していることが多いのです。
   
さらに説明していきますね.
    
    
日本人同士のカップルであっても、実際は、
様々な背景を持った家庭で育ってきています。
  
そのふたりが一緒に生活を始めた時、
   
実は、違う国出身同士が、同じ屋根の下で
生活を始めたのと等しい状態なのです。
   
    
自分が育った家庭の「文化・常識」は、
あたかも空気に近いもの。
  
自分に馴染みすぎて、それが、
原家族独自のものだと気が付きにくい。
  
しかも、その文化にパートナーのほうは、
「違和感を覚える」、
  
という想像すらできない状態に
なってしまうのです。
  
つまり、家の文化に関しては、
自己中心的発想になりがちなのです。
  
   
例えば、カップル・夫婦・結婚に関する
非合理的思い込みとしては、
次のようなことがあげられます。
  
・孤独は結婚生活によって癒される

・愛し合っていれば気持ちを言わなくてもわかりあえる

・葛藤は、なるべく避けたほうがよい

・夫婦や家族の間柄なら、何を言っても許される

・ふたりの意見が合わない時、どちらかが正しく、
 どちらかが間違っている
    
   
「ええ?結婚すれば、孤独から解放されると
思っていたけど、そうじゃないの?」
   
「葛藤は、避けたほうがいい?!
これが非合理的思い込みなわけ?」
   
みなさんは、上にあげた項目の中で、
心にひっかかったものはありませんか。
   
これまで意識していなかったけれど、
確かに自分も、漠然とながらそう思っていた、
ということは、ありませんか。
   
   
実際、生活していく中で、カップルの
衝突を招く思い込みは、
次のようなことがあげられます。
  

・将来にそなえて、生命保険、貯蓄の計画など
 しっかりしたライフプランを立てるべき
   
・先の不安を考えるのはナンセンス、
 今を生きるためにお金を使おう
   
・家族、ワイワイしゃべりテレビをつけながら
 にぎやかに食事をするのが、やっぱりいいよね
   
・「いただきます」と手をあわせ、その後は、
心静かに自然の恵みをいただくのが、
 マナーである 
   
・教育は財産。
 可能な限り、子どもにお金をかけるのが
 親ってもんでしょう?!
   
・年取った親の生活が困窮すれば、
自分の生活費を削ってでも  
 実家に、援助するのが、親孝行である
    
  
これらは、「家の文化であり常識」の一例です。
    
ただし、別の家庭で育った人からすれば、
    
「それを当たり前と言われても…」と、
受け入れがたい反応になってしまうかもしれません。
  
  
結婚して一緒に生活を始めれば、
どうしても、違いは見えてくるものです。
  
残念なことに、
一部のカップル・夫婦の中には
    
その「違い」を「相性が合わないのだ」と、
  
あるいは、
   
相手を、「非常識でレベルが低い」と
とらえてしまう。
   
さらには「軽蔑」し始め、
  
ふたりのあいだにあったはずの
愛や尊敬の気持ちが、
  
次第に失われていくことがあるのです。
   
   
本来、それぞれの「家の文化」は、
   
長い月日をかけて家系や家族が
培ってきたものであり、
   
「良い/悪い」「正解/間違い」、
家のレベルや品格の「高い/低い」ではありません、
   
文化の違いがあるだけなのです。
    
ところが、自分の文化の土壌に立ち続けていると、
      
「私は正しいことを言っているのに、
なぜ相手は理解しようとしないのか」と、
      
パワーゲームが始まります。
  
このゲームが最悪なのは、
「とにかく自分が正しい!」と思ってしまうため、
  
相手がなぜ、自分とは違うあり方なのかを
想像し理解しようとする、
こころの余裕が持てなくなること、
   
そして「なんで、わかってくれないの」という
なんで?!なんで?!の「戦争」に変わり、
   
ねじ伏せられた側が、負けとなることです。
   
   
つながりがベースとなるはずの
夫婦・カップル関係に、
     
「勝った/負けた」の要素が入ってくる――。
  
まるで、「家」同士の戦(いくさ)のようで、
残念ですね。
   
    
この状態にハマった場合、
    
私たちはどうやって抜け出し、
関係を回復していけるのでしょうか?
  
   
それは次回に、ゆずりたいと思います。

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