ミドルエイジ(中年期)に秘められた「人生を豊かにする視点」

こんにちは。相談件数4万件、
「幸せな恋愛・結婚サポートカウンセラー」、
谷地森久美子です。

先日、尊敬している方のブログを眺めていていたら、
ふと目に入った次のフレーズ――
「人生を一日に例えると、今は何時頃だろう…」。

そうそう、人生も半ば過ぎると、
こんなことを考えたりするものですね。

さて今回は、「ミドルエイジ(中年期)」の
重要性について。

この時期を分析心理学の大家C.G.ユングは、
「人生の午後」と呼びました。

これをキーワードとして、
「人生における中年期の意味あい」
について考えていきます。

さて、はじめていきましょう。

*****************
     

     
一口に「中年期」と言っても、
みなさんは、何歳くらいを思い浮かべますか。
   
ユングの時代とは違って、現代で言えば、
40歳前後から70歳頃でしょうか。
  
ユングは、人の一生を
太陽の一日の運行(日の出~日の入り)に例えて、
  
中年期を「人生の午後」と呼びました。
  
そうすると、    
この世に生まれた時を〔日の出〕、
  
成長と共に〔正午〕に達し、
  
それ以降は、
徐々に下降し〔日の入り〕となる――、
  
という映像が浮かびますが、
  
「人生の午後」というと、
  
上昇に対しての下降という、
心なしか、寂しい感じを持たれる方もおられるでしょう。
  
しかし、みなさんは
一般的な言葉のイメージに惑わされないでくださいね。
  
     
ユングは、
日の入りや夜の時間に移行していく「中年期」を、
  
自分の内面を充実させる時間

=無意識を探求していく時間と、とらえたのです!
 

  
さらに噛みくだいて説明しますね。
   
  
午後から夕方にかけて、徐々にあたりは暗くなり、
そして夜になります。 
  
まるで、日中に光を放っていた太陽が、
  
まるで自身の光を、再び内側に
おさめるかのように暮れていきます。
      
    
これを人の一生におきかえて考えると、
   
   
若い時代は、勉強や仕事などにおいて
「何かを成し遂げていく」ため、
   
外側中心に使っていたエネルギーを
  
中年期からは、深く自分をかえりみるために、
より内側に使っていく。
  
  
日没(日の入り)は、
「下降」「衰退」「消失」「死」というよりも
   
夜の世界のように、暗くて見えない、
無意識の世界に入っていく「内面の深まり」、
   
「充実」「成熟」「深化」などを意味しているのです。
   
若い時代には、見えなかった世界、

あるいは見てこなかった世界に

気づきを向けていく重要性を、ユングは説いたのです。
   
     
この外側から内面への転換は、
  
いわゆる「人生の危機」が、きっかけになります。
  
   
ユングは、なぜ「中年期」に目を向けたのでしょうか。
  
それはユング自身が、30代後半から40代にかけて
  
価値の転換を迫られる、まさに「中年の危機」に
陥ったからです。
   
  
師として仰いでいたフロイドとの決別、
  
精力的に活動していた国際精神分析学会の
会長職を辞し、脱退。
  
拠り所にしていた大事な存在、
所属していたコミュニティー、
    
その両方との関係を断つ――。
 
この喪失体験は、人間関係にとどまらず、
  
ユングの理論的な方向性や立ち位置をも脅かしました。
   
そして、危機的な夢や幻覚を
たびたび経験するようになりました。
  
「精神病」かと思われるほどの深刻な状態に、
専門家であるユング自身が陥ったのです。
   
  
ユングは、このような自分の経験と研究をもとに、
   
「中年期において人は、これまでの価値や理想が
ひっくり返るような人生の転換を経験する」として、
  
「その変化を活かす視点」を大事にしました。
    
      
例えば、人生の前半においては、
   
受験勉強や就活に励んで目標をつかむ、
  
仕事を通して社会的ポジションを確立する、
  
結婚をして子どもを育てる、 など
 
「目に見える、外側の達成」を
   
社会から要請され、そして自分自身でも
目指しがちになるものです。
    
それは同時に、
   
自分という「大まかな輪郭」を
作っていく意味で、
   
人生前半に必須の課題となります。
  
専門用語では「自我の確立」と言います。
  
  
そして、人生の中盤以降は、
   
前半までに身につけた、
   
「これが自分」という認識に加え、
  
   
「自分って本当は、〇〇だった」
  
「何かが欠けていたと思っていたけれど、
 これが欲しかった」といった、
  
” これまで遠かった自分の一部分 ” に、
   
時に、無意識的に揺さぶられ、
  
価値の転換を迫られる、とユングは考えました。
   
   
現代は、ユングの時代よりも
中年期のスパンが、長くなっています。
  
その分、人生の前半と中盤以降が交錯し、
  
人生前半の課題と、中年期の課題とが、
  
同時に我が身に降りかかってくることも
稀ではありません。
  
だから中年期は辛いのです!
     
    
さて、みなさんは今現在、
人生の何時ごろを生きているのでしょうか。
   
ご自身の「人生の立ち位置」を確認してみましょう。
  
  
どこにいるのだろう…?!
   
と、わからなくなっている方は
  
まさに今が、人生の転換期なのかもしれません。
   
   
「中年の危機」の詳しい理解の仕方などに関しては、
別の機会に取り上げたいと思います。

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